2ヶ月ぶりの巌哲さんの創作塩つけ麺。
前回行ったのは新年一発目であった。
着席するや否や、
店員さんに「お久しぶりですね」と言われ、
2ヶ月間行っていなかったことがばれていた模様(笑)
覚えていただいて、ありがたい限りである。
自分はもともと金曜日の閉店間際に行くことが多かったので、
仕事も忙しかったのと、
自粛中で営業時間が20時までという条件がかなり厳しく、
それだけ間が空いてしまった。
今回の魚は、
尾長鯛
今まで食べたことのない魚であった。
たしかに尾の長い恰好をしている。
大物はキロ単価3000-4000円もするという高級魚だそう。
金目鯛と同じかそれ以上のレベルである。
店長さんのブログにて、
今回は6kg×2匹と書かれていうことだったので、
え?うそでしょ?5万円近くないですか?
そりゃつけ麺の単価も上がって当然である。
というか、それでも原価割れてないか心配なレベルである。
さらに今回は、
同じく店長さんブログの完成品の記事にて、
「今年ナンバーワン」
と書かれていたこともあり、
これは行くしかないと決心した。
金曜日は仕事が忙しくて無理だったので、
20食しか数が無い土曜日にチャレンジ。
土曜日の場合は、
開店時間に並び始めるのでは確実に間に合わない。
余裕をもって並びたかったのもあり、
16:30に早稲田のバス停に着くように今回は向かった。
するとなんと、
16:30の時点でも10人以上の行列が!
おそるべし人気である。
よくよく数えてみると、自分は12人目だったので、
とりあえず食べられることは確定したが、
2ロット目になってしまった。
ただ、食券販売機前に行ってみると、
ラッキーなことに限定日本酒がまだ残ってる!
ということで、
迷わず注文したのであった。
それがこちら。
限定日本酒 弥右衛門 活性にごり生酒
濁り酒というだけでも珍しいのに、
酒麹も一緒に混ざっているというかなり珍しいタイプ。
さらには活性とあるように、微発砲。
そして驚くほど爽やかな香りと、
飲んだらわかる圧倒的な甘さ。
久々にここまで美味しい日本酒を飲んだ気がする。
麹の一粒一粒のシュワシュワ感もたまらないし、
バニラっぽい甘い香りなんだが、まったくしつこさが無い。
それでいて、アルコールの強さをほとんど感じない飲み口。
色んな口コミで書いてある
シャンパンのような味わい
という表現がしっくりくるタイプである。
食前酒にはまさにうってつけのお酒であった。
どてをつまみに、うっかり全部飲み切ってしまいそうだったが、
尾長鯛のために懸命に残したのであった。
そしていよいよ本編である。
創作塩つけ麺「東京都小笠原諸島産『尾長鯛』」
いやー、いつにもまして、ものすごい豪華さである。
まず、刺身が4枚!
写真では3枚に見えるが、その下に1枚隠れていた。
もうこれがとんでもない美味さ。
巌哲さんでは色んな鯛を食べさせてもらってきたが、
トップクラスに入る身の柔らかさ。
脂が乗っての柔らかさというよりは、
そもそも身自体が極端に柔らかい感じ。
それを肝醤油とちり酢とわさび醤油と3種類で食べられる幸せ。
もちろん、日本酒とも合いまくり。
我慢して残しておいてよかったー。
さらにその横には炭焼き!
麺の上に焼きが乗っているのは個人的には初めて。
ひとくちサイズではあるが、
写真で伝わるだろうか?
炭焼きの香ばしさ。
ちり酢がめちゃくちゃよく合うし、
炭で焼いたばかりだからか、
身のふわふわ感と皮目の食感のギャップが素晴らしかった。
つけ汁
いつにもまして具沢山なつけ汁。
ベースはもちろん尾長鯛の出汁と、
今回は昆布の出汁を合わせているそう。
鯖の時もそうだったが、昆布と合わせると旨味が強くて好き。
鯛系の出汁は基本的に上品なのだが、
今回はいつにもまして繊細というか、
最初のインパクトこそ強くないものの、
あとから旨味がじわじわ強くなっていく感じが素晴らしい。
他の具は、
・尾長鯛落とし
・福岡産タケノコ
・そら豆
・コーチン出汁巻
・九条ネギ
・柚子
という、割とベーシックなタイプだったが、
今回のアタリ具材は何といってもタケノコ。
しっかり炭焼きされているので、
表面の香ばしさがたまらない。
そして甘みもしっかり出ている。
メンマの代わりということなのかもしれないが、
この炭焼きだけでも一品料理になるくらいの美味しさ。
これが5-6個ゴロゴロ入っているのは最高過ぎた。
そして、絶品すぎる落としがこちら。
尾長鯛落とし
店長さんのブログにて
あったかい雪ですね…
と表現されていたのだが、
まさにその通りすぎた。
異次元の柔らかさがこちらでも発揮されており、
これまでの魚でも口に入れたら溶けるとか書いてきたが、
その一段階上をいく、というか、
一本の繊維すら残らないレべルのふわとろ感。
果たしてこれは魚なのだろうか?
と疑うレベルの食感であった。
しかもこの落としが2個もついているなんて、
あまりに幸せ過ぎである。
せっかくふたつあったので、ひとつはお茶漬け用に。
そして、〆はこちら。
尾長鯛めし
スープ割
〆の鯛茶漬け
あえて残しておいたもうひとつの落としに、
ちり酢(左)と肝醤油(右)を乗せて、
スープと共にさらさらと鯛めしをかきこむ。
贅沢ここに極まれり、である。
皮目の美味しい部分もご飯に混ざっていて、
スープ割で出汁も増えたので、
スープ割&茶漬けをした最終盤の方が鯛の濃度が高いという、
普通ではありえない濃度勾配となった。
最後の最後の一滴まで、尾長鯛を味わいつくし、
帰路についたのであった。
ということで、
レッドドラゴンという名前に似つかわしくない、
異次元の身の柔らかさを誇る素晴らしい魚であった。
店長さんが今年No.1とおっしゃっていたのも頷ける美味しさ。
今回たまたま2ヶ月ぶりの訪問となってしまったが、
これからも引き続き、
行けるチャンスがあったら食べに行きたいと思う。