水道橋近辺に勤めていながら、今年に入るまで存在を知らなかった名店。
つけ麺で有名な「つじ田(※)」が水道橋にできたと聞いて行ってみたら、
その通り道に偶然行列ができている店を見つけ、調べてみたらこの勝本さんであった。
食べログで見るとTOP5000に入っており、点数も3.73(2019年9月現在)。
ラーメン好きとしては、早急に行かざるを得ないと思い、
数か月かけて全メニューを制覇したのであった。
メインメニューはタイトルの通り4つある。
・中華そば(醤油)
・塩そば
・濃厚煮干しそば
・濃厚煮干しつけそば
4回に分けるよりひとつにまとめた方があとで見やすいので、
一気に紹介してしまおうというのが今回の記事の趣旨である。
ということで早速中華そばから。
中華そば(特製)
まさに王道の東京醤油ラーメン。
メインのスープは鳥と煮干しということだが、
シンプルながら非常に味わい深いスープとなっている。
なお、スープの素材はかなりこだわれており、
・九十九里産の煮干し
・薩摩産本節
・土佐清水産宗田節
・薩摩産鯖節
・牛深産平子鰯
などを使用しているとのこと。
コショウがよく合い、子供のころに食べた中華料理屋のラーメンが思い出される味。
麺は浅草開花楼の特注麺らしく、オーソドックスな縮れ中細麺。
チャーシューも昔ながらの良く火が通っているタイプ。
でも全く硬さはなくて、肉に味がしっかりついていて美味しい。
玉子については薄めの味付けであったが、このスープには薄目がちょうどいい。
黄身の濃さと白身の弾力が特徴的とのこと。
飲みの後には最高の〆になりそうなラーメンであった。
塩そば
こちらもサッパリ系。
フレッシュなアサリからとったスープに、
鳥と煮干しでとった清湯の旨味を融合させたというダブルスープ。
フランスとヨロン島の2種をブレンドした塩で仕上げているとのこと。
塩の違いまでは正直わからなかったが、アサリの旨味はがっつり感じられた。
チャーシューは醤油とは打って変わってややレア系。
写真ではよく見えないが、チャーシューの上にモリーユ茸のコンフィが乗っており、
一緒に食べると香りとうまみが増幅される印象。
また、ゆずの切片も少々入っており、さわやかな香りがたまらない。
こちらも、〆に最適な一杯。
濃厚煮干しそば
上記の二品で満足できなかった人のための一杯。
濃厚好きな人は、初めからこちらを選ぶべきなのかもしれない。
とはいえ、ここのお店の濃厚はかなり上品。
濃厚好きな人にとっては物足りないと感じる人もいるかもしれない。
そのスープは、丸鶏、鶏ガラ、げんこつの動物系スープが土台となり、
煮干し、鯖節、昆布などの魚介系が香りと深みを出しているとのこと。
タイトルに「煮干し」と入っているが、そこまで煮干しのクセは強くなく、
有名店「青葉」を彷彿とさせるような、バランスの取れた豚骨魚介という感じ。
卓上の黒七味がよく合うスープであり、
一振りだけ試しに食べてみたら山椒の香りと辛みが非常に良く合っていた。
(腸のケアも大事だが、ガンガンかけて食べてみたかったなぁ…)
濃厚煮干しつけそば
限定30食と看板には書いてあり、夜には大体売り切れているこちらのメニュー。
このときはノー残業デーで、夕方に行ったらギリギリあってラッキーであった。
上述の濃厚煮干しそばに似ているスープだが、つけ麺なのでその分濃度も高い。
それだけ濃度を挙げていながらも、非常に上品なまろやかさであり、
そこまでジャンキーな感じにならないのはさすが勝本さんといったところか。
煮干しの風味もしっかりと感じ取れるのに、エグミは全くない。
ただ、こちらも現在の主流である「濃厚系」より濃度は低いため、
「濃厚大好き」な人が濃厚さを期待して注文すると、肩透かし感があるかもしれない。
なお、麺はこちらも浅草開化楼製だが、中太ストレート麺となっていて、
かなりもちもちした食感が特徴だが、スープ同様上品さも残している。
トッピングは、トロ旨な煮込みチャーシュー、海苔、メンマ、ナルト、刻み葱など、
どの具材も素晴らしいクオリティ。
スープ割では、柚子を入れるかどうかを選択できるが、
割ってより上品になったスープに柚子の香りがマッチして非常に美味しいので、
よほど嫌いでなければ入れることをお勧めする。
ということで、いっきに4種類紹介したわけだが、
いずれもかなりの高クオリティな一杯である。
素材も厳選されたものを使用しており、
店の雰囲気も相まって「料亭で食べている」かのような印象であった。
清湯系から濃厚系まで、幅広い年齢層にウケる味だと思うので、
会社の打ち上げの後などに「一杯食うかー」というときには最適なのではなかろうか。
なお、かなりの人気店であるため、毎回行列になっている。
とくに塩や醤油は飲みの後の〆にも適している一杯であるため、
遅い時間に行く際には並ぶ覚悟が必要。
つけそばは一日の杯数が決まっているので、早めの時間に行くことをお勧めする。
※「つじ田」の記事