腸壁を削って美味い物を食す

元潰瘍性大腸炎(軽症)患者であった筆者(現在は完治済)が、症状が再燃するリスクを覚悟してでも食べたいと思うほど美味しかった逸品(主に麺類)を紹介していくブログです。不定期更新ですが、地道に書き進めていきます。よろしくおねがいします。

594. Ebimaru×Yatagarasu Special Menu 2020 @海老丸(水道橋):毎年恒例の年末コラボは世界5大珍味が味わえる究極のラーメンフルコース!

年は明けているが、

今回は2020年のラーメン納めとなった一杯を紹介したいと思う。

なお、フルコースなので、

一杯と表現するのは適切でないかもしれず、

また、記事が超長文なのは、お許しいただきたい。

 

時をさかのぼること、約一年。

2019年の12月30日。

自分の中で相当な衝撃であった、

海老丸さん×八咫烏さんのコラボレーション。

なお、このころは、この2つのお店をあまり知らなかった。

海老丸さんは通い始めたばかり、

八咫烏さんに至っては、行ったこともなかった。

kenshinkk.hatenablog.com

このコラボラーメンがあまりに美味しすぎたことで、

翌年である2020年は、

前回記事の2020年ランキングでも記載したように、

八咫烏さんには13回

海老丸さんには32回

訪れることとなり、

様々な限定ラーメンを狂ったように食してきた。

 

そして迎えた年末、

今年もコラボがきっとあるだろうと思って待っていると、

なんと待っていたのは予約制という、衝撃の展開。

 

さらには、その予約をするためには、

両者の特定の限定ラーメンを食べなければならないという、

とんでもなく高いハードル。

それでも、絶対に食べ逃したくないという使命感の元、

まずは八咫烏さん。

kenshinkk.hatenablog.com

そして海老丸さん。

kenshinkk.hatenablog.com

死闘の末、なんとか予約することができたのだった。

(詳細は個別記事参照)

 

迎えた12月30日。

例年以上に体調に気を付け、

いよいよ待ちに待ったコラボの日を迎えた。

 

予約時間は15:30

もちろん昼ご飯は食べずに臨んだ。

ただ今回はふだんと違って予約制なので、

時間ギリギリに行けばよく、

また寒空の下、行列に並ぶことが無かったのは、

ノンストレスであり、非常に快適であった。

 

今回は、ラーメンにしては破格の5000円ということで、

一体どんな豪華メニューになるのか非常に楽しみであった。

 

着いて早々びっくりしたのは、

フルコースのメニュー表が席に1枚置かれていたことである。

それがこちら↓

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もう完全にフレンチのフルコースである。

 

タイトルの世界5大珍味はここからであり、

・フォアグラ

キャビア

・トリュフ

に加えて

・海老丸のMASA店長

八咫烏の居山店長

の名前が添えられている。

 

実際にフォアグラ、キャビア、トリュフは入っていたので、

その3つに両店長のアレンジが加わったということだろう。

 

メニュー表を見ながら、

MASA店長と居山店長と常連さんたちの会話を聞きながら、

待っていると、いよいよコースが始まるとのことで、

最初は、八咫烏ファンにはおなじみである、

つるちゃんさんのアレンジ食前茶からスタート。

 

食前茶:荒波

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今回は、山椒のフレーバーを加えた緑茶ということで、 

1品目の真鯛の採れた海の荒波を表現されたとのこと。

濁り旨味だそうです。綾鷹かよ(笑)

今回使用されたのは、福岡の緑茶だそうで、

たしかに濁りのせいか緑茶の味が濃厚だったが、

最後の山椒の後味のおかげで飲み終わりは非常に爽やかであり、

以降に出てくる料理の全品によく合うお茶であった。

 

①冷製 真鯛のゴマ仕立て ジュレの演出

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1品目は八咫烏:居山さん担当の一口麺

主役は軽く炙った真鯛

皮目が炙られているため、皮目側の食感はカリカ

身側は完全にレアという最高の状態。

そしてその真鯛全体は、

レバーペースト胡麻をベースにしたタレで和えられており、

真鯛の甘味に旨味とコクがプラスされた素晴らしい塩梅

さらにそこに2種類のジュレがかけられており、

ひとつはワサビ、もう一つは梅と赤紫蘇ということで、

辛みと酸味と仄かな苦みが程よくプラスされている。

八咫烏さんお得意の、

一口ですべての味覚を刺激されるというやつである。

さらにそこに冷たく締められた極細麺が絡まるわけで・・・、

もう、開幕一品目から、完全に参りました。

この一皿だけで、来た甲斐があったなぁと。

 

あっという間に平らげてしまい、

次の一皿を待つのであった。

 

②前菜盛り合わせ

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今度は海老丸:MASAさん担当の一皿。

といっても一皿で三種のオードブルがあり、

世界三大珍味が勢ぞろいしている、とんでもない一皿である。

 

そのラインナップは

・大人のサラダ(ブルーチーズ, 帆立, キャビア)

・フォアグラのポワレ カブとのマリアージュ

・和牛カルパッチョ (トリュフポテト, フランボワーズソース)

いやいや豪華すぎるでしょ。

正直、普通のフルコースでも出てこないレベルだと思う。

 

まずサラダは、

炙られたチコリという野菜の上に、

ブルーチーズクルミリンゴ

その横に、ソテーされた帆立が添えられている。

そして、その帆立の上には大量のキャビア

これだけで原価いくらだよ?というレベルな豪華さ。

もちろん味も折り紙付き。

 

続いて、フォアグラのポワレ

フォアグラの旨味と塩気にソースの甘味がベストマッチ過ぎた。

このソースは、添えられているカブでつくったソースらしく、

バターで炒めたカブビーフコンソメで煮詰めたとのこと。

この癖になる甘じょっぱさが最高であり、

これまでに食べてきたフォアグラ料理で断トツ一位であった。

 

そして和牛カルパッチョ

前菜にしては大きすぎる和牛が2枚も乗っており、

さらに下にはトリュフが混ざったマッシュポテト

そして上からフランボワーズのソースがかけられている。

まず和牛のクオリティが、前菜ではない。

正直、メインディッシュがこれですと言われても、

疑いようがないレベル。

脂はそんなに強くなく、赤身の旨味がしっかり感じられる部位で、

個人的には凄く好みの赤身具合であった。

何牛でどこの部位かを聞き忘れてしまうくらい、

夢中になって食べ進めてしまった。

添えられているフランボワーズソースともよく合うし、

トリュフ入りマッシュポテトは、

単体でもツマミとしていけるくらいの美味しさ

同日に忘年会さえなければ、確実にお酒を注文していた。

 

 

正直、平らげてしまうのが勿体ないほどの一皿だったが、

一口一口、噛みしめながら、次の料理へと向かうのであった。

 

③新しい坦々麺

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そしてメインのラーメンは、まさかの担々麺

本ブログでは、筆者の持病により登場回数が少ないジャンル。

普段、辛い麺のときは、

注文せずに別のメニューに逃げるか、

あるいは辛さ控えめにしてもらう派なので、

正直言うと、メニューを見たときに、

一瞬どうしようか考えてしまったのだが、

今回は、意を決して、辛さ控えめを申し入れずに、

多少の不安を残しながらも、そのまま食してみることにした。

 

いざ実食してみると、

まずは牛テールの濃厚な旨味と甘味が舌に絡みつき

そこから上にかかったオイルの重層的な旨味が到来。

後味はじわーっとピリ辛で爽やかな感じ。

辛さとしては控えめであり、経験上、大丈夫そうなレベル。

食べれそうで良かったという安堵感と、

スープの美味しさによる二重の感動で泣きそうだった。

そこに合わせるは、八咫烏のレギュラー麺に近い極細麺

博多豚骨ラーメンの牛テール版といったようなイメージで、

正直これだけでも美味しすぎて一気に食べてしまいたいくらい。

 

担当割は、

牛テールスープと後述の味変は、海老丸マサさん担当

カエシと香味油は、八咫烏居山さん担当

とのことであった。

 

中でも、居山さん特製の香味油は相当に手が込んでいて、

和牛の脂をベースに、山椒で香りをつけて、

ビーツ紅芯大根を100℃のオーブンで水分を抜いたあとに、

フードプロセッサーにかけて仕上げたとのこと。

この特製の香味油によって、

スープと麺の美味しさが何倍にも増幅されている感じであった。

 

トッピングとしては、

・レアすぎる和牛炙り

・芽ネギ

・肉味噌

・青梗菜

ということで、シンプルながら豪華。

とくに和牛炙りは、

先程のカルパッチョ以上の衝撃的な美味しさであった。

おそらくチャーシュー用ということで、

カルパッチョよりもサシが多い部位であり、

口に入れたとたんに溶けていく感じ。

 

上に乗ったひき肉ベースの肉味噌と青梗菜で、

そこはかとなく担々麺が演出されていた。

ただ、担々麺にしては胡麻っぽくないなーと思っていると、

そこに驚愕の味変が待っていたのである。

 

味変のゴマペースト玉

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なんとも不思議な形をしているが、

こちらが今回、新しい試みという味変玉である。

 

その正体は、固形化させた胡麻ペースト

 

詳しくは分からないが、MASA店長の解説によると、

アルギン酸ナトリウム塩化カルシウムでコーティングしている

とのことであり、

 

ゴマのペーストの周りに膜をつくることで、

写真のような涙型の形状を維持しているとのこと。

より中身を水っぽいものにすると、

イクラのように弾ける食感になるらしい。

 

レンゲに2~3粒取ってきて、

麺やスープと合わせて、口の中に運ぶと、

ペーストがはじけた瞬間に口の中でゴマの風味が爆発

口の中は一瞬で担々麺に早変わりするのである。

 

つまり、今回のラーメンは、

そのまま食べると、牛テールラーメン

胡麻ペーストと食べることで、

口の中で担々麺が完成するという、

一度で二度おいしい一杯だったのである。

 

もちろんこんな演出の効いたラーメンなど食べたことなく、

新しすぎる担々麺でございました。

 

④きのこトリュフごはん

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豪華すぎるフルコースの締めは、トリュフ混ぜご飯

写真でわかるように、巨大な黒トリュフが乗っており、

最後まで贅沢が過ぎる。

出てくる前からトリュフの香りがものすごく

くさみも全くないし、程よい塩気もあって食べやすい一杯。

相当良いトリュフだと思われ、濃厚な香りが最後まで残る

食べ納めにピッタリな美味しいご飯であったが、

今回は海老丸さんおなじみのリゾットは無しということで、

勝手にスープをinして締めることにした。

 

〆のリゾット(勝手に)

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邪道かもしれないが、

海老丸さんでは毎回リゾットで締めていたので、

正直、これをやらないと後悔すると思った。

なお、周りの人も同様にやっていたので、

皆思うことは同じだったのだろう。

 

いつもの削りチーズは無かったものの

スープの牛の旨味と黒トリュフの香りが重なって、

もう何にも代えがたい美味しさ。

チーズ無しでも十分すぎるくらい美味すぎたので、

あえてリゾット化しなかったということなのかもしれない。

とにもかくにも、

これにて、豪華すぎるコースも終了となった。

 

総括

いやー、とにかく最高。

まさに一年の締めくくりにふさわしい食事であった。

5000円するフルコースなんて初めてであったが、

単に食材が高級というだけでなく、

それぞれが感動的な美味しさなのが素晴らしかった。

このコラボにどれだけの時間がかかっているのか、

僕ら素人には想像も及ばないが、

本当に頭の下がる思いである。

 

2021年も両店の限定から目が離せない。