腸壁を削って美味い物を食す

元潰瘍性大腸炎(軽症)患者であった筆者(現在は完治済)が、症状が再燃するリスクを覚悟してでも食べたいと思うほど美味しかった逸品(主に麺類)を紹介していくブログです。不定期更新ですが、地道に書き進めていきます。よろしくおねがいします。

563. 創造の夜 鴨と松茸@八咫烏(九段下):大感動の松茸フルコース!松茸昆布水とともに頂く味噌風味の鴨つけ麺は多幸感が半端ない一杯!

前回(※)、まるごとトマトとフィレンツェナスによる、

見事な倍返しを体験させていただいた八咫烏さん。

 

※前回食べた限定

kenshinkk.hatenablog.com

 

仕事も忙しく、約1か月ぶりの訪問となってしまったのだが、

twitterによると、9月の中盤から

ART of RAMEN ~破滅に向かって~

と題された「松茸」シリーズが始まっていたそうで、

今回食べたのは、その第3弾にあたる。

 

第1弾:破壊の夜 和牛と松茸

第2弾:無謀な夜 鱧と松茸

第3弾:創造の夜 鴨と松茸

 

というサブタイトルがつけられている。

全て食べに行きたいという気持ちもあったが、

仕事の都合などもあり仕方なし。

最後だけでも食べることができてよかった。

 

サイドメニューも豊富だったので、

もちろんすべて注文し、着丼を待つことにした。

 

 

創造の夜 鴨と松茸 鴨つけ麺

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ラーメン屋なのに6品という皿数は普通ではない(誉め言葉)。

これまでで、最もカメラを引いて撮った気がする。

 

メニューを一覧にすると

八咫烏十六茶

・松茸昆布水

・特製鴨皿

・アナゴと山椒のおこわ

・つけ汁(味噌風味)

・麺+トッピング

 

 

その場で聞いた店長さんの解説も交え、

ひとつひとつ振り返っていきたいと思う。

 

八咫烏十六茶

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アサヒさんでおなじみの十六茶

ふだんよく飲んでいるぶん、かなり飲みやすかったが、

本家よりもなんとなく深みが増している印象。

豊潤な味のつけ麺の合間に飲むことで、

口の中をサッパリすることもでき、相性は抜群であった。

 

松茸昆布水

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次に登場したのはこちら。

もう登場した瞬間から、いきなりすさまじい松茸の香り

昆布水つけ麺は、最近流行りではあるが、

松茸入りというのは初めて。

ほんのり抹茶もいれているそう。

単体で飲んでも、豊潤な松茸の香りでクラクラするレベル。

これが麺にかかったらどうなってしまうのか、

ワクワクしながら麺を待つのであった。

 

特製鴨皿

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・鴨肉の西京漬け

・ひじきのマリネ

・柚子とヨーグルトとマスターネ

赤味噌と赤ワインのソース

というラインナップのおつまみ皿。

限定酒があったので、それを頼めばよかったと激しく後悔。

鴨肉西京漬けは非常に柔らかで、味付けもやさしく、

1枚でお酒一杯いけてしまいそうな美味しさ。

さらに、その鴨肉にかかっているソース、

とくに、ヨーグルトとマスターネのソースが絶品中の絶品。

マスターネというのは初耳であったが、

マスタードの粒をつぶさず使用した、プチッとした食感が特徴のマスタード

であるとのこと。

辛さは全然なく、マスタードの旨味部分だけもってきたような感じで、

ヨーグルトとの相性も抜群で恐ろしい美味しさであった。

 

穴子と山椒のおこわ

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続いては先にご飯が登場。

・蒸し穴子

仁淀川山椒

・松茸の炊き込みおこわ

という3点が海苔の上に乗った一品。

こちらは、よく混ぜ合わせてから海苔で巻いて食べるのだろうが、

それぞれ単体で食べても美味しすぎる。

松茸の炊き込みご飯は、勿論香りもすごいのだが、

うまみ成分担当として入れたというマイタケが非常にいい働きをしている。

食感も絶妙で、白米ともち米を半々で炊いているそうで、

モチモチすぎず、サラサラすぎず、丁度良い塩梅。

混ぜて海苔で巻いて食べると、

旨味の各要素が一斉に押し寄せ一体となってくるのである。

 

正直、ここまでだけでも十分に松茸定食として成立しそうなのだが、

ここからが本編である。

 

鴨つけ麺

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「鴨つけ麺」というタイトルを聞いた時点では、

完全に「醤油」をイメージしていたのだが、まさかの「味噌」

意表を突かれた形だったのだが、

美味しかったのはもちろん、秋っぽさもあって良かった。

 

まずはスープからいただく。

やや細めの平打ち気味の麺は、表面もきめ細やかで美しく、

和風な味噌スープに抜群に合っており、素晴らしい麺であった。

そこに上述の松茸昆布水を絡めるわけで、鬼に金棒とはこのことである。

 

スープは、

・佐野みそ

・京都赤味噌

がベースになっているということで、完全に和風。

赤味噌がベースなので、やや塩気強めであり、つけ麺にはピッタリ。

 

これまで、合わせ味噌系の味噌つけ麺しか食べたことなかったので、

赤味噌でも合うというのを初めて知ることができた。

 

また、そのスープに入っている

栃尾油揚げ

が何より抜群の存在感を放っており、

スープを良く吸いながら、油揚げ自体の旨味も感じられ、

これ以上ない適材適所なトッピングであったと思う。

 

松茸の香り、味噌の程よい塩気、鴨肉と油揚げの旨味。

これらが昆布水によって一体化されており、

それを一気にすすり上げたら、もう幸せなことこの上ない。

 

 

麺の上のトッピングは、

・青大根の紫蘇漬け

・鴨肉の西京漬け

・ゴボウ

・メンマ

・オレンジ

・味玉

 

など、こちらも多彩。

とくに珍しかったのは、青大根の紫蘇漬け

紫蘇なので、サッパリするし、酸味も程よい感じで、

口直しにぴったりであった。

 

スープ割

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つけ麺の最後のお楽しみである、スープ割

飲んだ瞬間、それまでのスープとのあまりのギャップに驚きを隠せなかった。

そのギャップの正体は、クミン

カレーなどに使われるスパイスの一種である。

和風から一気にアジアン風に変貌を遂げたそのスープは、

満腹が近づき衰え始めた食欲に再び火をつけた。

 

普通のお店ならば、スープ割をしても、

元のスープから大きくイメージが変わらないことが多いが、

今回は、まさに大変身ともいうべき変貌を見せ、

飲んだ瞬間に、まさに優勝を確信した。

 

そして、 その副賞がこちら。

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半分残していたおこわの投入である。

おこわ単体が死ぬほど美味しいので、

そのまま食べ切りたい気持ちは強かったが、

半分残しておいて本当に大正解。

 

クミンによってアジアン風というかカレー風になったスープに、

ご飯が合わないはずがなく、味噌のまろやかさも相まって、

最高の雑炊となったのであった。

これ以上ない最高の締めをありがとうございました。

 

 

ということで、

久々の八咫烏さんの限定は、

「創造にふさわしく今までに無い最高峰を目指します!」

という店長さんの宣言があっただけに、

期待も高かったが、

その期待をはるかに超えるフルコースに、

終始感動しっぱなしであった。 

 

毎回毎回、最高峰と思われる限定が登場するので、

毎度行くたびに帰り道が幸せである。

 

今年は残り何回食べられるかわからないが、

また次の限定も楽しみにしたいと思う。