新橋で友人たちと訪れたお店。「きょんきょん」と読む。
岡山で取れた新鮮な素材を使った料理が魅力の居酒屋である。
この日は雪山にスノボに行った帰りだったので、体を温めるために「鍋料理」を食べられる店を探していた。
「〇ぞう」や「〇野菜」など、チェーン店には行ったばかりという人が多かったので、
何かふだん食べないような新しい鍋料理を食べたいという話になり、
何人かで捜索していて、見つけたお店がこちらである。
今回は「桃太郎鍋」がメイン。
「桃太郎鍋」と言われて全くぴんと来なかったのだが、岡山の名物鍋らしく、簡単に言えば「野菜がメインの鍋」である。
野菜がメインと聞いても、以前はあまり食欲が湧かなかったが、肉を大量に食べられなくなった今となっては、食欲が湧くようになってきた。
もちろん、野菜オンリーというわけではなく、豚や鶏も入っているので、肉も食べたいも満足感は得られると思う。
なお、ここのお店はメニューの値段幅が広いため注意が必要である。
普通に注文しやすいコスパが良いメニューもあれば、定番メニューなのに「え?」と疑いたくなるような価格設定になっていたりするものもある。
おそらく素材によって値段が乱高下するのだろうと推測されるが、今回はなるべくコスパが良さそうなものを注文していった。
・お通し
左から、
・南蛮漬け(何の魚か忘れた)
・おひたし(何の野菜か忘れたが、少なくとも岡山産)
・黄カブのクリーム煮
だった気がする。
どれも美味しかったのだが、肝心な内容を忘れてしまった。
(メインではないのでご勘弁を)
その後は、前菜的なものを何種かつまみながら、日本酒を飲んでメインの桃太郎鍋を待つことに。
・ポテサラ
・らっきょう
・そずり焼き
柔らかいのか、脂っぽいのか、スジっぽいのか…見た目だけでは分からないのでお店の人に質問してみたところ、その正体はスネ肉の骨の周りについた肉とのこと。
「そずり」という名前の由来は岡山弁で「削る(けずる)」を「そずる」と言うそうで、その動詞がそのまま名前になったらしい。
・牛串焼き
実はホットペッパーか食べログか何かのクーポンで無料であった。
クーポンひとつで、ひとり1本提供してくれるという素晴らしいサービスであった。
(あくまで、この記事の時点でのものです。今は違うものに変わってるかも?)
・鮭ハラス焼き
一番コスパの良かったメニュー。
定番中の定番だが、これだけ脂が乗ってて身もしっかりついているのは嬉しい。
・桃太郎鍋
↓からの
お店の看板メニューということもあって、見た目も鮮やかである。
具材は以下の通り。
・黒大根
・黄色大根
・ビタミン大根
・マスタードブラック(緑の野菜)
・黄ニラ
正直言って一つも聞いたことが無かったので、一つずつ調べていく。
他の食材が岡山なのに、こちらだけはまさかの茨城県産のブランド豚。
名前は茨城の県花のバラに由来しており、バラの花のように鮮やかな色の肉になってほしいという願いも込められているとのこと。
たしかに言われてみると赤みがやや強い気がする。
色々こだわって作られたブランド豚だけあって、非常に肉質が良く、普段食べているバラ肉とは肉汁の甘味が段違いだった。
・黒大根
その名の通り、皮が黒い大根。中は白い。
ヨーロッパでは比較的ポピュラーな野菜らしく、最近日本でも人気が出てきたらしいのだが、自分はこれまで食べたことはなかった。
普通の大根に比べてやや水分量が少なく、大根とジャガイモの中間のような感じ。
生で食べると辛味が強いらしいが、鍋で食べるとそんなことはなく、しっかりスープを吸っていてほのかに甘いという、大根の特徴はしっかり出ていた。
・黄色大根
こちらは聞いたことすら無かった。
お店の人は黄色大根と言っていたが、ググっても出てこないので、もしかしたら「黄色二十日大根」かもしれない。
黒大根と比べるとやや甘みがあって、生食向きのような気もしたが、鍋でも十分美味しい。
・ビタミン大根
「青長大根」や「青大根」ともいい、皮の大部分が緑色で先端のほうが白くなっている大根。3種の大根の中ではこれが一番ポピュラーだったらしいが、正直一つも聞いたことなかった。
こちらも甘味が強いのが特徴で、見た目は青臭そうなイメージだが全然そんなことはなかった。
生で食べるとみずみずしいらしいので、ぜひサラダなどでも食べてみたい。
・マスタードブラック
こちらはブラックとか言っておきながら緑色の野菜。
一般的に「からし菜」の西洋種のひとつマスタードグリーンの変種だとのこと。
からし菜の一種ということで、辛いのかと身構えてしまったが、ぜんぜん辛味は無く、口当たりも柔らか。
言い表すのが難しいが、白菜とレタスの中間のような感じ。
・黄ニラ
中華料理では高級食材らしく、岡山が生産量日本一とのこと。
芽が出る前のニラの根株に何重にも覆いを被せ、太陽光線を遮断して栽培し、軟白化させているため、淡い黄色の色をしているとのこと。
食感は青ニラに較べはるかに柔らかく、味もほのかに甘い。
香りは淡く上品で、ニラ特有の香りが少ない。
美味しく食べられて、ニラの栄養を摂取出来る、まさに一石二鳥の野菜である。
正直、この鍋の野菜の中では一番おいしかったので、自宅で鍋を作るときにもぜひ入れてみたいと思う。ただ、売っているところは見たことない。どこで売っているのだろうか。
ということで、初めて食べる食材たちに舌鼓を打っているうちに、あっという間に後半戦になってしまった。
後半戦は、きびだんごに見立てた鶏団子を入れて頂く。
鶏団子(きびだんごの代わり)
軟骨やネギや生姜などいろいろ練りこまれており、非常に美味しかった。
欲を言えばもっと食べたかったので、次回は分量を増やそうと思う。
なお、付け合わせの柚子胡椒を「赤鬼」と「青鬼」から選ぶことができる。
青鬼は一般的なスーパー等でも売っている緑色の柚子胡椒。
赤鬼は岡山産の姫唐辛子を使ったものらしいということで、友人たちはそちらを選択。
自分は唐辛子NGのため食べられなかったのだが、普通の物よりも辛みが強くておいしかったらしい。
ちなみに最後の〆は雑炊と中華麺から選べるのだが、
スープが和風だったので迷いなく雑炊を選択した。
〆の雑炊
なお、雑炊はお店の人が作ってくれる。
案の定、絶品である。
ひなから放し飼いにしていた鶏の卵を使っているらしく、非常にまろやかだった。
お店の人の卵の入れ方が最高であり、半熟具合がベストだった。
そういえば、新人時代には、雑炊の作り方がヘタで上司に怒られたものである。
最近は自分で作っていないので、練習して思い出さなければ。
せとか
限定デザート。
たまたまこの日、「美味しいミカンが届いたので食べませんか?」とお店の人が仰るので、注文してみた。
「せとか」という品種を食べたのは初めてだったのだが、正直その美味しさに度肝を抜かれた。
2001年に生まれた比較的新しいミカンであり、香りや食味の良い柑橘を掛け合わせ、いいとこどりで生まれた品種。
柑橘の大トロとも呼ばれるだけあって、みずみずしさと甘さがこれまで食べてきた「ウンシュウミカン」とは段違い。
薄い皮で中身がぎっしり詰まっているのも嬉しい。
「マツコの知らない世界」のミカン特集回で「せとか」という品種がものすごく推されていたので、いつか食べたいと思ってはいたが、正直ここまで美味しいとは…。
今度スーパーで見かけたら買ってみようと思う。
ということで、長くなってしまったが、まとめると、
岡山の厳選素材を使った質の高い料理が食べられる良いお店であった。
東京ではなかなか食べられない珍しい野菜をたくさん食べることができるので、興味がある方はぜひ。
また、唯一心残りなのは、梅酒を飲み損ねたことである。
今回使わせてもらった個室の壁面には、ずらっと梅酒を熟成させている瓶が並んでおり、熟成が完了したものから提供しているとのこと。
注文していた友人のものを少しだけ味見させてもらったのだが、長期熟成された濃厚な旨味がありながら、恐ろしいほど飲み口がすっきりしており、するする飲めてしまう印象であった。
その時すでに日本酒モードだったので梅酒は頼めなかったのだが、次回は絶対梅酒にしようと誓った。
お昼のメニューでは、岡山名物のドミカツ丼が美味しいらしいので、今度昼に立ち寄った際にはぜひ食べてみたいと思う。