腸壁を削って美味い物を食す

潰瘍性大腸炎(軽症)持ちの筆者が、症状が悪化する可能性を覚悟してでも食べたいと思った逸品(主に麺類)を紹介するブログです。基本的に週2回(日曜・水曜)の更新です。よろしくおねがいします。

639. 海楼館殺人事件~探偵・癸生川凌介事件譚vol.2:早くも登場の名作推理アドベンチャー第2弾!クローズドサークルの名作!

先日書いたこちらの記事で紹介した、

癸生川探偵事件譚

※ 

kenshinkk.hatenablog.com

 

なんと早くもその第2弾が登場したので、

さっそくレビューを書いていこうと思う。

 

繰り返すようだが、

このゲームは元はガラケーのゲームであり、

当時中学3年生だった自分が夢中になって遊んだゲームのひとつである。

それが、10年以上ぶりにニンテンドーSwitchでリメイクされたわけで、

遊ばないという選択肢が無かった。

 

とりわけ、この第2作目である海楼館殺人事件は、

トリックも秀逸なミステリー作品であり、

おなじみのクローズドサークルものでありながら、

終盤の怒涛の展開が当時の自分の記憶には深く刻み込まれたのであった。

 

なお、1作目をプレイしていなくても、なんとなく話はわかるだろうし、

初めての方もこの海楼館から入っても良いかもしれない。

個人的にもこの2作目の方がストーリーとして好きであり、

後述する演出も神がかっていて何周もプレイした作品であった。

それくらい、お勧めの作品である。

 

ということで、

ここからは、結末や他作品のネタバレを含んだ感想となるので、

未プレイの方は、ご注意いただきたい。

 

(ネタバレ回避スクロール)

 

 

 

 

 

 

 

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一作目同様、シンプルなタイトル。

英語のサブタイトルが何とも味わい深い。

The Structure of Mirage

直訳すると、蜃気楼の建造物

今思えば、これがヒントだったのかーというタイトルである。

 

冒頭は、おなじみ、この方から登場。

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来ました、この名台詞。

これが見たかったんですよ。

今思えば、26歳でこの決め台詞を恥ずかしげもなく言える音成さんすごい。

 

多摩ヶ原斎樹というサナミ建設の元会長が建てた

海楼館

という建物の完成披露イベントがあるとの話を持ってきた音成刑事

 

上がるときには下がり下がるときには上がる不思議な不思議なエレベーター

5人乗ったらいっぱいなのに登りたい人6人います。

はてさてどうすれば全員上がれる?

 

そんななぞなぞのような問いかけとともに、

提示されたのは海楼館の構造図

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なんとも奇怪な建物である。

なぜわざわざこんな建物を作ろうとしたのかは不明であるが、

あからさまに密室が作りやすい状況なのは間違いない。

 

結局、音成刑事からの紹介で、代わりに伊綱生王が行くことに。

いつものパターンである。

 

行きの船では同じく刑事の大森と出会う。

なお、このタイミングで、

元々音成が行くつもりだったのに、なぜもうひとり刑事がいるのか?

と気付いた方は中々鋭い。 

自分は初見ではここまでは気づけなかった。

 

なお、ここの船の上での伊綱のセリフ

「『かいろうかん』て名前、ろうと間が意味の上で被ってるじゃないですか、

カレーライス飯って言ってるようなもんですよ。おかしいですって絶対。」

というのが、なぜか記憶に凄く残っていて、

懐かしすぎて泣きそうになった。

 

さて、海楼館の入り口にやってくると、

管理人馬込が現れる。

何ともさえない感じだが、一応理系のエンジニア出身らしい。

すでにほかの招待客は来ているらしく、

海楼館に入っていくところで、ようやく序章が終了する。

 

いやー、ここまででも楽しい。

 
一章 7人の客

 

招待客は一人増えて7人らしい。

それもそのはず客室が6つしかないのだから。

ただ、設立パーティにしては少なすぎる。

 

招待客の中には、後にレギュラーとなる、

ジャーナリスト矢口床子

通称しれとこさんがいらっしゃる。

初対面なのに、

伊綱「前髪揃ってますよ」

矢口「ファッションよ!」

のやりとりがあるのが面白い。

 
他の招待客は、

サナミの役員、池上氏。

秘書の嶺町氏。

医師の荻中氏。

 

なお、嶺町さんは生王の作ったアプリ(仮面幻想殺人事件をプレイ済という設定。

こういうメタ要素?も入っているのが面白い。

 

18:00に食堂に全員集合するのだが、

当然のように、屋敷の主人である多摩ヶ原が現れない。

 

そして、ミステリーの王道パターンの通り、

自室で遺体となって倒れている多摩ヶ原が見つかる、

という展開である。

 

2章 疑惑

 

2章に入って、荻中の検死や、

周囲の捜索が行われるわけだが、

こちらもミステリーの王道をいくように、

部屋は完全密室

さらには、外部への通信装置が機壊されており、

出入口も封鎖という、完全な二重密室になっているのである。

 

 

馬込さんはエンジニア出身なので、

必死でで通信機器を修理しにかかる。

ここでふと、娘の写真が出てくるのが、重要な伏線。

 

さまざまな調査を進めているうち、

気分が悪いということで、嶺町秘書が部屋に篭ってしまう。

 

あーこれはフラグっぽいなー。

そんな予感は的中し、

一通り調べ終わって嶺町秘書の様子を見に行くと、

嶺町秘書は刺されて死んでいた。

 


第3章 曲折

 

生王と伊綱が第一発見者なので、調べることに。

すると、嶺町のパスケースの中の写真にはなんと大森の姿が

 

ここにきて大森が怪しくなってくるが、

その大森は伊綱に任せて、生王は他の人の事情聴取に。

 

生王パートにて、

萩中は多摩ヶ原の検死を頼まれてたサクラだと自白。

金でしか繋がってないから疑うなとのこと。

 

池上多摩ヶ原がサナミ建設に復讐しているのだと言う。

峰町今回の海楼館に来るために池上の秘書になったそう。

多摩ヶ原の隠し子の可能性があるという。

 

伊綱パートでは、 大森が刑事で無かったことが判明。

なんと、嶺町の幼馴染だった。

生王パートでの池上の予想の通り、嶺町は多摩ヶ原の隠し子

後から刑事をひとり参加させるよう、無理やり頼んだらしい。

 

すると、別行動していた矢口が隠し扉をみつける。

棚をスライドさせると、扉らしき溝がある。開け方は不明。

そして、海水がついている。

このヒントから、伊綱が館の仕掛けの謎を解き明かした模様。

 

そのとき、何やら物音が。

見に行くと、池上が殺されていた。

 

最終章 海楼の帰結

 

この館の仕掛けに気付いたという伊綱。

馬込を探すがどこにもいないため、渡り廊下を探すという。

これまで閉まっていた渡り廊下が開いており、

馬込が渡り廊下の奥で血を流して倒れていたのだ。

 

馬込は自殺の可能性が高い、という荻中の診断もあり、

一旦本館に戻ることに。

 

そこで、伊綱が説明した館のトリックがこちらである。 

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エレベーターが動くのではなく、

本館自体が上下に動くことで、渡り廊下がエレベーター代わりになる、

という仰天のトリック。

最初に聞いたときはびっくりしたが、

確かにこれなら矛盾が無くすべての殺人が可能である。

正直、そんな大きな本館を動かすエネルギーはどこから?とか、

本館が動くならさすがに揺れが大きくて気付くのでは?とか、

色々思うところはあったが、確かにつじつまが合うわけので、

凄いトリックを思いつくなーと感心していた。

 

しかし、それこそが生王先生(作者)の思うつぼだったのである。

 

伊綱の説明が終わった後、

馬込の自室からノートが見つかる。

タイトルは「まだ見ぬ我が子へ 多摩ヶ原斎樹」

多摩ヶ原こと馬込の生い立ちから、

殺害計画のすべてが書かれた日記であった。

 

ただ、そのあとで殴り書きがあり、

 

嶺町に多摩ヶ原(影武者)の殺害を見られて殺したが、

嶺町は実の娘だったことが分かって、死を決意した。

 

という、遺書ともとれるような内容であった。

 

この遺書により、

多摩ヶ原(影武者)、嶺町、池上を殺した犯人は馬込で確定ということになり、

海楼館の事件は終結ということに。

 

悲しみに暮れる大森に対し、伊綱がかける言葉が素敵すぎた。

 

~~~~~

実は私も数年前身近な人を失う事件があって、

その時はほんと形ばかりの葬儀やお悔やみの言葉が戯れ事にしか思えなくて、

そんなことをしても意味がない!

死んだ人にはもう声も思いも届くわけがない全部生きている人間のエゴだ。

悲しみを紛らわすための気休めだ。って思って。

参列もせずに塞ぎ込んでたんです。

でも気づいたんです。あの人は確かにこの世に生きていた。

それは紛れもない事実。

だったらその人の分まで強く生きよう。

この悲しみはあの人が最後に私に残してくれた強さなんだって思ったんです。

大森さん強く生きてください。

彼女が生きていたことを無駄にしないように。

~~~~~

 

いやー、泣いた。

ネタバレになるが、

4作目となる白鷺に紅の羽をプレイした後に、

このメッセージを読むと、マジで大号泣ものである。

 

この段階で、後のシリーズのことまで計算されていたのかと思うと、

本当にこの作品のファンで良かったと思うのである。

 

知床さんに「いいこと言うじゃない」とからかわれ、

「くふふ。」と笑う伊綱さん。

このやりとり懐かしすぎて、ここでも泣いた。

 

そんな感動的なシーンだと思っていたら、

忘れたころに癸生川探偵が登場。

そうそう、このアプリ、最後に癸生川が登場するんだった。

 

え?

うそでしょ?

てことは、まだ解決していない?

 

「事件が終わった?馬鹿なことを言っちゃいけない!」

 

以下、ネタバレのため、反転。 

 

なんと、真犯人は荻中。

荻中こそが多摩ヶ原の隠し子。

嶺町も隠し子のひとり。

多摩ヶ原は嶺町のみを認知し、全財産を存続する気があることを耳にした。

荻中は諸事情により認知できない模様。

嶺町を暗殺することに。

馬込に罪をなすりつけつつ、崔と峰町と池上を殺害。

荻中氏、なんという策略家だろうか。

ヒントは、馬込が娘の写真を持っていたこと。

でなければ「まだ見ぬ娘へ」だなんて遺書を書くはずがない。

 

さらに、癸生川いわく、海楼館の仕掛けは「無い」とのこと。

その仕掛けを思い付かせるのが、

斎樹氏がしようとしていたイベントの答えであり、

隠しドアは飾りだったとのこと。

 

結局は、最初からマスターキーを持っていた荻中が、

スキを見て殺人しまくっていただけであった。

元々はこれをやりやすくするために、

(ヒラの)音成刑事を呼んだのであろうか?

そこで音成が癸生川探偵事務所に招待状を渡してしまったのが、

荻中の運の悪さというところなのだろう。

 

なお、癸生川がなぜ真相に辿り着いていたのかというと、

最初から多摩ヶ原氏と知り合いだったからとのこと。

そりゃ知ってるわな。

 

ということで、癸生川の活躍で、

今度こそ、無事解決となったわけだが、

毎回おなじみの生王(プレイヤー)の行動に採点が入って、

ようやくエンディングを迎える。

 

エンディング前後のオマケ要素がまた素晴らしく、

エンドロール前に、

シャングリラという遊園地の存在を仄めかしたり、

エンドロール後に、

そのシャングリラの菊川からの依頼が来たり、

という、次回作の導入がすでに始まっているエンド。

素晴らしい引きである。

これは絶対第3作も買うわ。

 

ということで、

クローズドサークルものの推理アドベンチャーとして、

第1作目から各段にパワーアップした今作。

GWが暇な方で未プレイの方は、

ぜひ遊んでみてはいかがだろうか?

 

なお、GW終盤の5/6には、

第3作目にあたる

死者の楽園

がリリースされるらしいので、

今から非常に楽しみである。