渋谷の隠れ家イタリアン。
「ラ コッチネッラ」と読む。
渋谷とは思えない静かでアットホームな雰囲気なので、少人数の会食やデートなどにもおすすめのお店である。
ミシュランのビブグルマンにも掲載されたことがあるらしい。
場所としては渋谷から青山方面にしばらく歩いていって、少し路地に入る。
近くに似たような名前のイタリアンがあるので間違えないように注意が必要。
(実は間違えて違う店に入りかけてしまったのだが、同じ間違いをした人が何人もいた模様)
メニューはかなり豊富で迷いに迷ったのだが、前菜2種、メイン、パスタという構成。
牛、豚、魚介とバランスよく注文することにした。
ホタテとグレープフルーツのマリネ
前菜エリア。
カルパッチョやカプレーゼなど定番メニューがわんさかのゾーンであるが、あえて普段食べないマリネを選択してみた。
これが大正解。
ホタテとそれによく合うバルサミコベースの甘酸っぱいソース…というところまでなら普通の店でもありそうだが、
ここに2種類のグレープフルーツを加えるという素晴らしい発想。
若干苦みがあって酸味の強い普通のグレープフルーツと、甘味が強いルビーグレープフルーツ、いずれもホタテとソースとの相性が抜群で美味しい。
それに、2種類あることによって、食べるたびに味が変わるのが面白い。
ホタテとグレープフルーツは初めて食べる組み合わせだったが、ここまで合うのかと驚いた。
田舎風お肉のパテ
続いて前菜の二品目はパテ。
コショウやハーブがよく効いていて美味しい。
マスタードソースもそんなに辛すぎず、問題なく食べられた。
丁度ここで運ばれてきた赤ワインと相性抜群であった。
600円とメニューの中では安い部類なのだが、大きめで2つ入りだったので割と満足感が高かったメニューである。
黒毛和牛ホホ肉の赤ワイン煮
メインディッシュには牛を選択。
正直、小さいかなーと思ってしまったが、食べてみて納得。
ナイフを使わずにサクッと切れる柔らかさといい、濃厚な旨味といい、おそらくほほ肉の中でもかなり良い部分を使っているのだろう。
じっくりと煮込まれていることもあり、ソースの味がしっかりと染みている。
久々にこれだけ手が込んでいる煮込みを食べた気がする。
また、周辺のマッシュポテトにもソースおよび肉の旨味がしみ込んでおり、
パンやライスがあれば、きっとそれらに付けて食べていただろうというくらい美味しいソースであった。
イベリコ豚の自家製サルシッチャとレンズ豆のソース 手打ちパスタビーゴリ
ビーゴリとは、モチモチした食感と、強いコシが特徴のロングパスタの一種。
北イタリアが発祥で、一般的なスパゲティと違い、強烈な圧力をかけて押し出して作るらしく、その太さと表面のザラザラ感が特徴とのこと。
実際食べてみると、そのモチモチ感に圧倒された。
見た目、量が少ないかなーと思ったが、極太麺の中がぎっしり詰まっている感じであり、食べ応えも十分。
レンズ豆の優しい甘みのあるソースとの相性も抜群で、
そこにイベリコ豚のサルシッチャ(ソーセージ)の塩気が何とも言えない絶妙なバランスであった。
このパスタでラグー系もあったので、そちらもきっとおいしいのだろう。
レンズ豆は正直聞きなれていなかったのだが、調べてみたら世界各国の料理でも広く使われているとのことで、食べてみたらたしかに以前食べたことがある気がした。
カレーや東南アジア系の豆入りスープにだいたい入っているやつ、と言えば伝わるだろうか。
クセがなくて甘みのある味が特徴で、なんとなく懐かしさを感じた。
栄養素も高いらしいので、今度売ってたら買ってみようと思った。
ということで、
今回頼んだメニューはどれも美味しく、さすがのミシュランクオリティであった。
他のメニューも魅力的なものが多かったので、ぜひまた行きたいところである。