腸壁を削って美味い物を食す

元潰瘍性大腸炎(軽症)患者であった筆者(現在は完治済)が、症状が再燃するリスクを覚悟してでも食べたいと思うほど美味しかった逸品(主に麺類)を紹介していくブログです。不定期更新ですが、地道に書き進めていきます。よろしくおねがいします。

923. ブラックぺアン〜ダイレクトニボシトポーク@八咫烏(水道橋)

いいかいジュノ、俺のラーメンは芸術だよ。

厨房に響く、居山店長の声。

それを聞いてニヤニヤしながら頂く限定は、

まさに美しすぎる一杯であった。

 

ここから先は日曜劇場「ブラックぺアン2」第8話を

御覧の方のみお進みください。

 

ということで、久々の八咫烏さん。

毎年恒例9月6日は、黒の日ということで、

毎回スペシャルな醤油ラーメンを提供してくださるのだが、

ここまででわかる通り、

今回は今まさに放送中のドラマ

「ブラックペアン」をタイトルに据えた1杯。

このドラマは約6年ぶりの第2弾であり、

第1弾も面白過ぎてこのブログで記事を書いていた。

kenshinkk.hatenablog.com

そのためもちろん第2弾である今回も、

最終話まで全部の話を見届けてきており、

第8話の異様な盛り上がりまで含めて全て知っている。

そのため店長さんが見てくれているのは大変うれしく、

めっちゃハマっているというのも納得のクオリティで、

そのぐらい第8話は激アツ展開であった。

前回記事でも触れているが、

自分は元々原作からの海堂作品ファンである。

前回のブラックペアンでも原作の1988年の時代背景を、

ドラマ版では現代にアレンジして上手く描いていたが、

今回のブラックペアン2も、

原作であるブレイズメス1990とスリジエセンター1991とは

時代背景が全く違う。

流石に続編は難しいだろうと思っていたが、

製作が決まったときは嬉しい限りであった。

しかも、前作で渡海を演じた二宮和也がもう一度主演で抜擢され、

全くの他人であるはずの天城雪彦を演じるというのだから驚いた。

 

(ここからは第8話までのネタバレ含みます)

 

しかも、容姿がそっくりであることを利用し、

第8話で渡海と天城が双子であるという設定を新たに作り、

さらには過去に2人の間に起きた心臓にまつわる因縁、

天城に襲いかかる病魔、そしてついに姿を表した渡海。

というめちゃくちゃ燃える展開が待っているとは…。

 

大筋は原作と近いように進めながらも、

架空の医療AIシステム、エルカノ&エルカノ2を巡っての争いや、

医学会長選挙、病院長選挙も絡み、

スリジエセンター設立に向けて最高潮に盛り上がる中、

天城と渡海の関係が明らかになる、この怒涛の展開。

いやーすごかった。

原作の展開やラストは知っているけれど、

そんな原作ファンをも唸らせるドラマの脚本の凄さには、

本当に恐れ入った。

第9話が楽しみである。

 

さて、長すぎる前置き(ドラマの感想)はここまでとして、

限定ラーメンの紹介に入りたいと思う。

 

厨房では引き続き天城モードの店長さんが、

ジュノ役の若手の店員さんに対して、

ジュノ、ダイレクトアナストモーシス(麺の盛り付け)やってみる?

→やります!やらせてください!

という掛け合いがありながら、

どんどん限定ラーメンが作られていく。

このくだり、めちゃくちゃおもしろくて、

わかる人には爆笑なのだが、

知らない人にはポカンだろうなあ・・・

と思いながら待っていると…

 

まずは食前茶から。

食前茶

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ブラックカラントという名前に聞きなじみがなく、

正体がわからなかったが、

後でググってみたら、カシスの別名であった。

どおりでジュースみたいな甘酸っぱさで、

同時に爽やかさもあって美味しく、

ただ、今回はその赤が美しかった。

という表現の方がふさわしいだろう。

 

エルカノ2で叩き出したレシピで作った地鶏ワンタン
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さすが居山式エルカノ2である。

地鶏たっぷりのワンタンは、

しっかり鶏の旨味が感じられて食べ応えも抜群。

生姜や胡麻も入っている特製タレは、

甘酸っぱさと仄かな辛みも入っており、

ワンタンとの相性がめちゃくちゃいい。

これを肴にお酒いってもよかったなー。

 

ピリ辛アベル豚丼

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ブラックペアンにアベルなんて出てきたかな?

と思ったが、アベルとは豚の品種のことであった。

宮崎県都城市にあるアベル牧場で生産された黒豚のことで、

奄美島豚を元にバークシャー種をかけ合わせた黒豚とのこと。

きめが細かく柔らかい肉質と脂身があっさりなのが特徴で、

豚の成長や体調に合わせてエサを9段階に分けたり、

お灸をしストレスをなくすなどして育てられ、

どっちの料理ショー」の特選素材にも選ばれているらしい。

そりゃあ美味いはずだわ。

程よく脂身も入ったプルドポークが

甘辛に味付けされてご飯の上にたっぷり。

青菜とネギのアシストも入り、

ルーローハン的な一杯になっていた。

うますぎて、ついおかわりしちゃいそうな、

そのぐらいのクオリティのサブご飯であった。

 

そして、本記事の冒頭にもあった、

俺のラーメンは芸術だよ。

のセリフと共に、提供されたのがこちらである。

 

ブラックぺアン〜ダイレクトニボシトポーク

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ダイレクトアナストモーシスによって

整えられた麺線が美しく、

スープの黒、器の赤に、

万願寺唐辛子の緑が映えている、

本当に芸術としか言いようがない一杯。

 

まずはスープから一口。

背脂の甘み、醤油のキレ、鯛の旨味、

それらが一体となってやってくる。

鯛がベースのスープなのですごく上品なスープで、

一週間の仕事で疲れた身体にみるみる沁みわたっていく。

 

店長さんの解説によると、

スープ

マンガリッツァ豚と甘鯛と鰹と煮干

オイル

マンガリッツァ豚背脂と鯛煮干といりこ

少しハーブ

カエシ

たまり醤油酢橘 ジャックダニエルクランベリービネガー

とのこと。

さすがスペシャルな黒の日だけあって、

材料のラインナップが凄まじく豪華。

たまには贅沢なラーメンを食べたい、

という欲求がみたされる極上スープであった。

 

あしらい

ナルト+万願寺唐辛子の揚げ浸し

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長ネギの柚子ピーマンソース和え

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甘鯛の松笠揚げ 

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このトッピングラインナップも素晴らしい。

野菜たちとソースも相性抜群なのだが、

特に甘鯛の松笠揚げはまさに絶品、

贅沢にドカンとのっていて存在感もすごい。

外サクサクの中フワトロで、

これだけでも一品料理として成立するレベル。

メチャクチャ美味しかった。

 

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今回、いつもの細麺とは違い、

特注手もみ平打ち麺とのこと。

これが今回の贅沢スープとすごく合っていて、

麺をすする手がガチで止まらなかった。

この程よい太さと弾力感、

特製のオイルやカエシとの絡み具合、

全てが絶妙なバランスとなっており、

ダイレクトアナストモーシスの繊細さが、

まさにラーメンで表現されていた。

 

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最後は黒豚丼にスープをかけて頂いた。

ご飯だけでも完成されていたが、

スープがとにかく極上だったので、

そこには美味しさしかなかった。

 

ラーメンは美しい。

 

食べ終わった後、店長さんに、

「美味しかったです」ではなく、

「美しかったです」とお伝えしたのは、

言うまでもない。

 

ということで、

八咫烏×ブラックペアン

まさかドラマのオマージュ作品を、

味わえることになるなんて・・・、

自分にとってはまさに最高のコラボであった。

 

ドラマ・ブラックぺアン2も残り2話。

渡海は果たして天城を救えるのだろうか。

天城とスリジエセンターの運命やいかに・・・。