焼肉において、何mmを超えたら「分厚い」と認識されるのだろうか?
5mm? 10mm?
部位にもよるのだろうが、ここの店の定義ではおそらく20mmを超えている。
今回はそんな「肉の分厚さ」にこだわる焼肉店を紹介する。
もんじゃ焼き屋の跡地にできた店だったので改装はさぞ楽だったんだろうと予想される。
先日、同僚と焼肉打ち上げをすることになり、同系列の住吉店の食べログが高かったので、会社帰りに初めて入ってみたのだが、結論から言うと大当たりであった。
メニューに「分厚いシリーズ」が4種類ほどあり、若干高めの値段設定なのだが、それが全く気にならないほどのボリュームであり、結局のところコストパフォーマンスは恐ろしく高い。
まずは、分厚いタンから。
1980円 2人前なので3960円。
薄い5切れを焼いているように見えるが、これは巨大なタンの塊を切ったものである。(塊の写真は撮り忘れてしまった)
ひとかたまりで1980円は高いと思うかもしれないが、そのボリュームは凄まじい。
ここまで大きいと焼いたら縮んで固くなるのでは?と心配だったが、表面に切れ込みがほどよく入っているため、縮こまることなく焼き上げることができ、固さもそこまでない。
中でも最も厚い部分などは弾力がものすごいのだが、頑張れば嚙み切れる程度の柔らかさも併せ持っており、タンの中でもかなり良い部位だと予想される。
そして次が今回のベスト。
分厚いヒレ&分厚いハラミ
左のふた切れがハラミで右がヒレである。
どちらもこの分厚さとは不釣り合いなほど柔らかく、噛めば噛むほど旨味が出てくる素晴らしい肉質であった。
ハラミはタレで頂くが、ヒレは脇についているワサビと塩がベスト。
また、今回は塊肉ということだったので、
有名焼肉店、格之進による塊肉の焼き方講座を参考に、肉汁を閉じ込める焼き方を実践してみた。
1.ストロー状になっている肉の繊維の方向を見極める。
2.ストローの両端を焼いて肉汁の出口を塞ぐ。
3.側面を焼いていき完全に閉じ込めると、中で肉汁が暴れて風船状に膨らんでくる。
4.焼きすぎて表面が割れてしまう前に火から外し、肉汁の暴れが収まるまでしばらく冷やして待つ(2〜3分)。※すぐに切ると肉汁とともに旨味が流れ落ちてしまう。
5.カットして食す。
↓焼いている最中のヒレ
まさに高級ヒレステーキ肉の分厚い奴を焼いている感覚である。
焼いているときの迫力が凄まじい。
続いて、分厚いカイノミ。
カイノミとは、中バラの一部でヒレ肉の近くにあり、ちょうどわき腹のあたりの肉である。
切り出した形が 「貝の身」に似ているので『カイノミ』と呼ばれており、1頭の牛から左右一対のブロックしか取れないので非常に希少な部位だそう。
ヒレ肉に近いだけあって、赤身分量も多いが、バラに近いということでそれなりにサシも入っている。
脂と赤身のバランスはハラミに近いが、ロースやカルビなどの「肉肉しさがある」という不思議な感覚であった。
脂の量的にもちょうど良いので、次来た時にもマストで頼みたいメニューである。
以上で分厚いシリーズは終わりだが、せっかくなのでという声があり、特上カルビも注文してみた。
5枚で1980円。
1枚400円と思うとその高さに恐れおののく。
しかしながら、高いだけあって脂の量・質ともに素晴らしく、口に入れたら溶けるとはまさにこのこと。
まあ、ぶっちゃけてしまうと、脂があまりに多いので、正直好みではない。(というと同行者に殺される気がしたので、その場では黙っていたが…)
ということで、今回はあまりに最上位メニューばかり贅沢に注文しすぎてしまったので、会計が大変なことになりそうだと覚悟していたのだが、思ったよりは高額にならずに済んだ。
まあ5人だったのでうまく分散してくれたのだろう。ここの店は2〜3人の少人数と言うよりは4〜6人の大人数が望ましい。
「分厚い肉」に興味のある方は是非。