藁焼きという料理をご存知だろうか?
藁(わら)を使い高火力で皮をパリッと焼き上げる高知県では名物の料理であるが、
室内では調理しづらいからか、提供してくれる店はあまり数多くないように感じる。
上野にも長年見かけなかったのだが、昨年末ごろに新しいビルにこちらの店が入っているのを発見したため、行ってみることにした。
実をいうと、そこからハマってしまって、今年に入ってもう5回くらいお世話になっていてる。
一つの記事にまとめると長くなりすぎてしまいそうなので、その中から代表的なメニューを数回に分けて紹介したいと思う。
初回の今回は、店の概要と看板メニューでもある藁焼きについて。
こちらのお店は、官民の連携協定締結により実現した産地直送システムによって、高知県土佐清水市から送られてくる厳選素材を使った料理を提供してくれるお店であり、高知まで行かないと食べられないような郷土料理を味わえるのが魅力である。
まず最初に出てくるお通しからすでに独特である。
・お通しその1 鰹節
・お通しその2 茶わん蒸し
なんと、お通しで大量の鰹節が出てくるのだ。
一緒に出てくる茶わん蒸しにかけて食べるのだが、それだけでは確実に消費しきれないので、その後の料理に追加でかけまくることができる。
店の中に削る機械があって、そこで削りたての鰹節を出してくれることもあって、香りの量・質ともに市販のものとは段違いである。
なお、鰹節関連製品を購入することもでき、スープ類にそのまま入れることができる「宗田節パウダー」は便利であり、非常におススメである。
続いてメインの藁焼き。
・カツオの藁焼き(小)
これは小サイズであり、他にもいくつかサイズがある。
なお、予約時にクーポンを使うと(小)を半額で食べられる模様。※オープン当初は1人前プレゼントだった。
まず目を引くのはその分厚さ。比較的薄切りで出してくる店が多い中、この厚さは素晴らしい。
また、食べ方が非常に豊富であるのも特徴。
写真にあるように、薬味として、タマネギ、青ネギ、ミョウガ、ニンニクを大量に提供して頂けるので、1切れに対して思い切り薬味を乗せて食べることができる。
そして、つけダレも豊富で、どれで食べるか頭を悩ませることとなる。
・ばんのうたれ(鰹のタタキ用タレ)
→かなり甘辛に作ってある醤油ダレであり、鰹のタタキはもちろん肉系にも相性抜群のタレである。個人的にはこれにタマネギと青ネギとニンニクを合わせて食べるのが最も美味しいのではないかと思う。
・ポン酢
→オーソドックスだが、さっぱりとしていて美味しい。ポン酢に合わせる場合は、ニンニクだとやや重いので、タマネギと青ネギとミョウガを合わせるのが望ましい。もし柑橘成分が足りなければレモンを絞るのも良いかもしれない。
・鰹節漬け込み醤油
→鰹節が丸々一本漬け込んである醤油で、鰹の香りと味が浸透した醤油となっている。こちらもシンプルに美味しいが、あくまで刺身など他の料理用なので、これで食べてしまうともったいない感はある。
・塩
→意外とこれが美味い。高知県で食べた際には、地元の人には塩だけで食べるのを薦められた。個人的には塩+タマネギ+ニンニクがオススメである。
ということで様々な食べ方があるわけだが、人によって好みがあると思うので、自分に合った食べ方を見つけてほしい。
・ブリの藁焼き
実を言うと、最初に来店した時に度肝を抜かれたのはカツオよりもこちらのブリだったりする。
カツオの方はこれまでに食べた経験もあったため予想できる味だったが、ブリは藁焼きで食べたのが初めてだったこともあり、想像をはるかに超えてきた。
たまたま旬だったので脂のノリがものすごく良かったという可能性はあるが、それでもこの店を気に入ったのはこのメニューがあったからだと言っても過言ではない。
さて、こちらの食べ方だが、上記のつけダレから選ぶとすれば、断然「ポン酢」である。
カツオと比べて脂のノリが良いので、タレに関してはよりさっぱりさせた方が間違いなく美味しいと個人的には思っている。※もちろん他のタレも合わないわけではない。
ブリといえば「照り焼き」だったが、この日からブリと言えば「藁焼き」に変わったのであった。
魚系の藁焼きでは他にマグロのハラスがあるが、そちらはまだ食べることができていないので、近いうちに再訪して食べてみたいと思う。
また、時期によっては、旬の魚のお造りなども美味しいらしいので、良いものが入ったときには注文したいと思う。
ということで、今回はここまで。
次回は肉系のメニューと、お酒に関して紹介していきたい。
※次回