学生時代に足繁く通った名店をレビューしたいと思う。
学生時代といっても、大学の後半での話なので10年以内の話なのだが、もう随分と前な気がするのは気のせいだろうか。
この店のメインは「タイカレー」。
これまで私が日本で食べたカレーの中で最も辛かったと思う。
この店を初めて知ったのは大学4年生の春。
信濃町の用事の帰りに大学の友人と行ったのであるが、あまりの辛さに私は汗が止まらず、友人は涙が止まらず、大変な思いをしたのを覚えている。
カレーについてはとても今は食べられない辛さなのだが、辛いのが苦手な人向けの唯一のメニューがいくつか存在し、今回紹介するのがそのなかの一品である。
牛すじ煮込みそば
特筆すべきはその優しいスープ。
牛の旨味とほんのりにんにくとコショウの効いたその味は、そのまま食べても良し、カレーの合間に食べても良し。
米粉の麺であるフォーとの相性も抜群。
牛すじ肉は無駄な脂がなく、赤身部分も含めてとにかくやわらかい。
大量に入ったもやしは程よくスープを吸っていて、フォーのツルツルした食感ともやしのシャキシャキした食感の違いを楽しみながら食べ進められる。
全体的に優しい味なので、おなかにもやさしく、安心である。
このメニューのおかげで、発病後も友人たちと一緒にこの店に通い続けられたので、感謝しかない。
以降は、この店のメインである3種のタイカレーを紹介する。
グリーンタイカレー
普通のカレー屋の甘口と比べたら圧倒的に辛いが、ココナッツミルクが効いているためなんとか食べられる程度の辛さにはなっている。
独特のスパイスの香りの爽やかさと、細切りタケノコの食感が特徴的。
この店のメニューの中では最も口当たりがまろやか。
大根がスープを良く吸っているのもポイントが高い。
辛い物が嫌いじゃなければ食べられる程度の辛さだとは思うが、
一緒に行った友人はこの辛さでも泣いていたので油断は禁物。
レッドタイカレー
辛さのレベルは前述のグリーンカレーよりも上であるが、ココナッツミルクが入っている分だけまだまろやかさは残っている。
具に大根とタケノコが入っているこっちの方が、このあと紹介する大辛よりも個人的には好きだったりする。
ちなみに持ち帰りのレトルトはこの辛口であり、家でそのレトルトルーを使う場合は、別途大根やタケノコを炒めておいて食べる直前に混ぜるとよい。
メーヤウカレー
辛さレベル最上位のカレー。
ココナッツミルクが入っていないため、とにかく容赦なく辛い。
ただ、刺激的で痛い辛さというよりは、さわやかな辛さなのはありがたい。
それでも、辛い物が得意だという自負がない限りは、いきなり注文するのは危険であると私は思う。
具は前述の2つとは異なり、とろとろに煮込まれた骨付きの鶏肉がメイン。
鶏肉自体は前述の2つよりも美味しいのだが、大根とタケノコがなくなってしまうのは少し寂しい気もする。
どうやら中毒性が高いようで、一度これを注文すると、この刺激なしでは物足りなくなってしまうようで、一緒に行っていた別の友人は常にこのメーヤウカレーを頼んでいた。
ということで、辛い物が好きな人はこれらのカレーをぜひ挑戦してみて頂けると良いかと。
ただこの店の良いところは、表題の牛すじ煮込みそばのように、辛い物が苦手な人向けのメニューも用意してくれていることであり、そのあたりは非常に良心的。
なお、ガパオライス的なメニューもあり、そちらの方はカレーよりも辛さレベルが高く、付け合わせの唐辛子を入れて辛さを増強することもできるとかどうとか。
興味のある方はぜひ。