厳選素材(おもに魚)を使った創作つけ麺が週替わりで出てくる名店。
今回の魚は「目一鯛」である。
前回※のヒメダイに続いて、またしても超高級魚である。
目一鯛は、スズキの仲間で、目に大きい一本の筋が入っているから、
メイチダイという名前がついたとのことである。
なお、特徴的なその大きな目は腐りやすいらしく、釣り人泣かせな魚だそう。
そんなメイチダイであるが、超がつく高級魚。
旬になると脂が乗って味が良くなることに加え、漁獲量が極端に少なく、
高級魚になってしまったそうである。
旬は夏だということで、まさに今が旬の魚を食べることができるということで、
期待を膨らませながら、行列に並ぶのであった。
今回は和風の味付けということで、日本酒を一緒に頼みたかったのであるが、
日々の仕事の疲れがたたって列に並んでいる時点で強烈な眠気に襲われていたため、
今回は体調を考えて日本酒は注文せず、
つけ麺と炊き込みご飯だけを純粋に味わうことにした。
なお、値段は2100円ということで高めの設定。
まあ高級魚だから仕方ない。
創作つけ麺「五島列島産 目一鯛」
今回は完全に和風である。
つけダレは、左から刺身醤油、本わさび、ちり酢。
正直、「ちり酢」ってなんだ?と思ったので、調べてみた。
ちり酢(ちりず)とは、
ゆず、すだち、カボス、橙などの柑橘類の果汁に醤油を加えた合わせ酢の一種。
鰹節や昆布などの出汁を加える場合もある。
ということで、つまりはポン酢のことであった。
語源はオランダらしい。
麺
この麺は相変わらず美味しい。
やや平打ち気味で表面がツルツルの滑らか食感。
麺だけでも飽きないが、上に乗っている刺身が絶品なので後述する。
刺身
店長さんが今回の目玉と言っていた刺身。
活けの状態から2-3日熟成させて、刺身で食べるのに完璧な状態にしているらしい。
それはうまいはずである。
身は弾力がありながらも、しっとりとした吸い付くような食感。
熟成のおかげか、噛んでいくとどんどんトロけて無くなっていく。
これは美味しい。
今回は3切れだったが、正直もっと食べたくなる素晴らしいお刺身であった。
スープ
和風のメイチダイ出汁の塩スープ。
これまた上質なスープであり、思わずごくごく飲めてしまうほど美味しい。
中には
・冬瓜の翡翠煮
・コーチン出汁巻
・九条ねぎ
・茗荷
が入っていた。
中でも冬瓜の翡翠煮が凄まじいクオリティ。
(翡翠煮とは、皮目の薄い緑色を生かして仕上げた煮物のこと。)
メイチダイの旨味を吸いに吸いまくった冬瓜は、
噛めばジュワッと旨味が噴出してくる。
そして、メインの天盛りは、目一鯛の酒蒸しで、
上にはわさびが添えられ、銀餡(とろみをつけた出汁)がかかっている。
その演出だけでも素晴らしいのだが、
口に入れた瞬間、ほんとに数秒でとろけてしまうその食感が凄まじかった。
正直、ここまでとろける白身魚は初めてである。
このしっとりさ加減と、脂のノリとの絶妙なバランス。
これは美味しい。
さらに、上に乗ったわさびや、付け合わせのちり酢との相性も抜群で、
あっというまに食べきりそうになってしまった。
炊き込みご飯
前回感動した炊き込みご飯を今回も引き続き注文。
また今回も期待に違わず素晴らしい美味しさであった。
前回ほど生姜は効かせていない感じであったが、
しっかり出汁の旨味を吸い込んだご飯は酒蒸しとも合うし、刺身とも合う。
このご飯だけでもおかわりしたいところだったが、
健康のために我慢して、スープ割を注文。
スープ茶漬け
そう、これが今回やりたかったことである。
前回および前々回は、洋風だったためチーズ茶漬け(リゾット風)だった。
もちろんそれもそれで美味しいのだが、
完全和風の物も食べてみたいなーと思っていた矢先に、今回チャンスが巡ってきた。
茶漬け用ごはんを追加で頼むことも考えたが、
あえて今回は炊き込みご飯にスープを投入。
ほのかな塩気のあるメイチダイの身と、出汁の旨味のつまったスープとご飯。
もう、贔屓目なしに最高である。
実は茶漬けのようなスープご飯はあまり好きではないのだが、
これだけおいしいスープであれば、毎日でも食べたい。
ということで、
今回も感動的なつけ麺フルコースであった。
メイチダイはおそらく食べたことなかったと思うが、
初めての食感で高級なのも納得の味であった。
今回は、体調があまり良くなくて日本酒は避けたが、
食べ終わった常連さんが「冬瓜と日本酒が合いすぎてやばかった」
と言っており、激しく後悔した。
まあでも仕方ない。
次こそは体調を整えて、日本酒とどて焼きをしっかり味わったうえで、
つけ麺に挑みたいと思う。
(※)前回記事