腸壁を削って美味い物を食す

潰瘍性大腸炎(軽症)持ちの筆者が、病状が悪化してでも食べたいと思う逸品(主に麺類)を思いつくままに紹介するブログです。

354. 甲子園観戦記2018(前編)

今年の夏の甲子園は、100回目の記念大会。

例年はテレビ観戦だが、今年は100記念ということもあり、友人と一緒に観戦に行くことにした。

見に行ったのは8/13と8/14の2日間。前日入りしての2泊3日である。

特に狙って行ったわけではないのだが、

ラッキーなことに組み合わせはいずれも好カードとなった。

f:id:kenshinkk:20180817125111j:image

まさかこのときは金足農業が決勝に行くとは思ってもいなかったが、

強豪校揃いで好ゲームの連続であった。

 

今回の観戦では、先に観戦日を決めた後に、試合日程が決まった。

大阪桐蔭の試合は混むとわかっていたので、1試合目には来ないでくれと祈っていたが、まさかの1試合目。始発で甲子園に向かうことを覚悟した。

 

迎えた旅行初日(観戦前日)、梅田のホテルに到着すると、なんとたまたまそのホテルが常葉大菊川の宿舎となっていた。

甲子園球児といえば、伝統ある旅館に泊まっているようなイメージだったが(ドカベンの影響)、大阪のシティホテルに泊まっているのは意外だった。

エレベーターには取材制限の貼り紙があり、9時以降の取材は厳禁らしい。

そりゃそうだ。甲子園遠征中も毎日練習しているわけだし、大事な試合の前に遅くまで取材されたら迷惑である。

今回の滞在中にエレベータで選手と何度か遭遇することもあったが、「頑張れ」と一声かけたい気持ちを押し殺し、邪魔にならないように努めたのだった。

 

ホテルの部屋に戻った夜21時。

翌日のチケット入手戦略を練ろうとして、ツイッターを開いた。

「甲子園 列」で検索。

この時点でものすごい大行列になっていた。

第4試合の終了時点ではすでに列ができ始めていたらしい。

これはまずい。

まだ終電もあったので、いまから徹夜で並びに行く案も出たが、2日間あるのでさすがに却下したが、それでも不安は拭いきれなかった。

わざわざここまで来て、席がありませんでした、では全く意味がない。

このときはチケットが残っている奇跡を信じて明日のために眠るしかなかった。

 

迎えた13日の朝。 

梅田から甲子園駅に向かうには阪神電鉄に乗って約20分。

梅田の始発は5:00ちょうど。

梅田の街に出ると、野球帽をかぶって歩いている人が何人かいる。

きっと行先は同じ、チケットを争うライバルなんだろう。

そんなことを考えながら駅を目指すが、阪神電鉄の梅田駅になかなかたどり着けない。

東京にも新宿や渋谷などダンジョン駅が存在するが、この梅田駅もなかなかのダンジョンっぷりである。

時間に余裕をもって出たはずなのだが、駅に着いた時にはなんと発車2分前。

高校野球開催時のみ臨時ダイヤだったらしく、発車が3分ほど早まっていたのだった。

電車内は満員に近い状態。

ほとんどの乗客が野球帽をかぶっていた。

目的は明らかである。

ギリギリ乗り込んだのが吉だったのか、ドアに最も近いところに陣取ることができた。

そして揺られること約20分。

甲子園駅でドアが開いた瞬間、ついに闘いの幕が切って落とされた。

先日コミケのニュースで見たばかりの光景が目の前で繰り広げられていた。

改札へと急ぐ乗客たち、すさまじい勢いで階段を駆け下りていく。

自分は左足をケガしていたため、並ぶのは同行した友人に任せ、

階段の端っこに避難しながらゆっくり降りていきながら、戦場を眺めていた。

f:id:kenshinkk:20180817125123j:image

↑戦場のゴール地点であるチケット売り場。ここに並ぶことができているのは徹夜組の皆さまだけである。

 

戦場を横目に見つつ、補給物資(朝マック&大量の水分)を購入。

友人のもとに届けようと、チケットの列に戻ったとき、係員の口から信じられない一言が聞こえてきた。

「内野特別席は今から並んでも買うことはできません」

耳を疑った。

嘘だろ?始発組だぞ。

 

友人たちからも、「諦めて外野席の列に並んだ」という連絡がきた。

混むことは予想していたが、まさかここまでとは思わなかった。

第100回大会ということと、大阪桐蔭の人気を考えると、まあこうなってもおかしくはないのかもしれないが、さすがに予想外だった。

ただ、幸い始発で行ったことにより、外野席では一番前以外はほぼ選び放題。

レフト前から5~6列目というかなり見やすい席に座ることができた。

ここなら球場全体も見渡しやすいし、ピッチャーの球筋もよく見ることができる。

f:id:kenshinkk:20180817125130j:image

かなりいい席である。

これが500円というのは格安。

プロ野球では考えられない。

 

振り返ると、オーロラビジョンも良く見える。
f:id:kenshinkk:20180817125117j:image

青空が映えて、美しい。

しかし、時間に注目してほしい。7時である。

この時点でかなりの埋まり具合であることがおわかりいただけるだろうか。

なお、試合開始は9時半である。

 

2時間半は「高校野球の歴史」「レジェンドたちの名場面」などが流され、意外と楽しく過ごすことができたのだが、問題は暑さと日差しである。

試合が始まる前から、滝のような汗をかき、ペットボトル1本分を飲み切ってしまった。試合も始まっていないのに、残り1リットルしかないのは心もとない。

たびたび球場アナウンスでも熱中症を防ぐために、こまめな水分補給と休憩をとるように呼びかけられていたが、

正直、3試合最後まで見届けられるのか、この時点ではかなり不安だった。

 

第1試合 大阪桐蔭 対 沖学園

8時半がすぎたころ、ようやく第1試合の選手たちが入場。

大阪桐蔭と沖学園の選手たちである。出てきただけで大歓声。

さすがの人気だなーと思いながら見ていたが、

人気だけでなく実力も凄まじいということをすぐに痛感させられる。

もうキャッチボールの一球目から他の高校とは一味違うのである。

一般的には、ゆっくりめのキャッチボールから始まるが、

初球から「取ったらすぐ投げる」という速いキャッチボールなのだ。

それに、全員もうどこかでアップしてきたのだろうかと思うくらいの球速。

そこから遠投に入っていくのだが、距離も凄まじい。

続いてのシートノックも凄まじかった。

内野の動きの速さ、外野の肩の強さ、どれをとっても他の高校と比べてしまうと一段階上のように感じられてしまった。

ああ、これが春夏連覇を目指す高校なのか、というレベルの高さがまさか練習の段階から感じられるとは思わなかった。

 

9時半になり、ようやく試合が始まる。 

前評判では大阪桐蔭優勢だったが、5回までは競った展開。

話されそうになってもくらいつく沖学園の粘りは素晴らしかった。

3-3で迎えた6回裏に大阪桐蔭が猛攻を見せ、そこからは桐蔭ペースだった。

7回の根尾のソロ、8回の藤原の2ランでの追加点で勝負あり。

このふたりの打撃は大会を通じて凄まじく、おそらくプロに行って活躍するであろう。

このふたりの高校時代を生で見れたというのは、きっと貴重な経験になるに違いない。

 

また、メディアでも取り上げられているが、大阪桐蔭は応援も凄かった。

今年の甲子園のテーマソングである嵐の「夏疾風」など、新曲を取り入れていることもそうだが、定番曲のアレンジも素晴らしかった。

とくに上へ上へと2段階転調していく「サンバデジャネイロ」は斬新だった。

もしピッチャーで投げていて、相手チームの応援であれをやられたらプレッシャー半端ないと思う。 

 

第2試合 佐久長聖 対 高岡商

この試合が始まる前の時点で、観戦している我々の体力は既に限界が近く、通路に設置されたクーラーの前に涼みに行くことにした。

しかしながら、考えることは皆同じで、クーラー前は黒山の人だかり。

皆ぐったりしており、災害時の病院の廊下かと思うような光景であった。

 

しばらく休憩し、席に戻ると、既に試合は始まっていた。

シートノックは見逃してしまったが、体力の方が大事である。

試合は序盤から高岡商業ペース。

とくにプロ注目の左腕山田投手の気迫の入った投球は素晴らしかった。

後に3回戦では、大阪桐蔭相手にも好投を見せたが、甲子園に限れば桐蔭打線を最も苦しめた投手ということになるだろう。

また、佐久長聖は、3番手で登板した北畑君に注目していた。

前の試合でタイブレークの好投があり、調子は良さそうだったが、この日も終盤の高岡打線をきっちり抑えて流れを呼び込むと、最終的には打線が粘り、終わってみれば1点差である。

流れを呼び込める投手は大事だなということを再認識した。

北畑君は2年生なので、来年が楽しみである。

 

第3試合 近江 対 前橋育英

序盤は前橋育英ペース。

高橋光成の代に優勝したときもそうだったが、攻撃にそつがない。

エースの恩田君もコントロールで勝負するピッチャーで、個人的に応援したくなるタイプの選手。

ただ、この試合最も印象に残ったのは、近江の2番手で登板した林君であった。

魔球チェンジアップを駆使し、4回から前橋育英打線を完全に封じたのは圧巻であった。

映像で見ると、肘の使い方が非常に柔らかく、変化球の抜けが良いことが打たれない秘密なのだろう。

試合の方は、近江打線が最終回に無死満塁とすると、エース恩田君は足がつって治療へ。しかし、治療の甲斐なく、戻ってきた初球に有馬君のタイムリーでサヨナラで決着。まさに力尽きたという感じであった。

後に、近江は準々決勝で金足農業と戦い、あのツーランスクイズの幕切れとなる好ゲームを演じるわけで、そういう意味ではここで勝ってくれてよかったなあと思う。なお、その時のピッチャーも林君であった。

 

ということで、3試合を見終わったが、完全にぐったりであった。

炎天下、全く日差しを避ける手段が無い中、長時間の観戦はまさに体力勝負。

仕事で45℃の恒温槽に数時間入ることがあり、暑さ自体には慣れているから大丈夫かと思っていたが、そこに日差しが加わると、別次元のツラさが待っていた。

 

翌日の観戦に向けて、

「次は日陰を死守しよう」

と心に誓ったのであった。

 

(後半へ続く)