前回から引き続き、新規開拓編。
今回訪れたのは、人形町。
日比谷線ユーザーである私にとっては、
都営浅草線に乗り換えるときに必ず利用する駅である。
人形町はあまりラーメンのイメージが無く、
以前食べた兎屋さん(※)と、やまらぁさんがあるのは知っているが、
あまりラーメン屋があるイメージが無い。
そんな人形町に2018年にオープンした
crab台風。さんであるが、
なんとこちら、日本でラーメン店を営んでいた方が、香港に進出。
その香港でラーメンブームを巻き起こしたのちに、
満を持して日本に再輸入してきた、
という異色のラーメン屋なのである。
ブームを起こすほどのラーメンは一体どんな味なのだろうか。
そして、店名にcrabとあるくらい、蟹にこだわったラーメンということで、
期待は嫌が応にも高まったのであった。
メニューは、
メインである蟹そばと普通の醤油ラーメンの二択。
蟹そばの中には、蟹煮干し、蟹味噌などのアレンジ系あったが、
今回は初回なので、デフォルトの蟹そばを試してみることに。
また説明書きを読むと、雑炊はマスト、
くらいの勢いで推奨されていたので、
雑炊セットを注文することにした。
蟹そば
見た目から、濃厚さが伝わってくるようなスープ。
蟹×濃厚系といえば、以前、油多めの濃厚系があったが、
こちらはとにかく粘度が高いタイプの濃厚カニスープ。
とろみが凄まじく、麺を持ち上げるたびにこれでもかと絡んでくる。
そして、蟹だけではなく、豚骨とのブレンドであるため、
蟹だけでは出せないまろやかさとクリーミーさがある。
これは新しいかもしれない。
蟹の甲羅が多少入っているのか、たまにザラッとした舌触りもあったが、
蟹好きにはたまらない濃厚さであると思われる。
これだけ濃厚だと、麺にスープが絡み過ぎてしまって、
最後の雑炊の分がなくなってしまうのでは?
と少し心配になるほどであった。
うずらは元々1つ入っているようであるが、
今回は試しに増しにしてみたら4個になった。
しっかり燻製されていて、味も濃いめで、スープに負けてなかった。
チャーシューは薄めの低温調理タイプで生ハムのような感じ。
デフォルトなのにしっかり量が入っていて嬉しい限りであった。
そのチャーシューの上には2種類のオイルと思われるものが、
緑色のソースはバジルか何かだろうか?
正体は分からなかったが、サッパリして美味しく、
黒色の方のソースは、おそらくマー油。
こちらは香ばしさとニンニクの旨味が加わったのですぐわかった。
言わずもがな豚骨スープとの相性は抜群であった。
そして、トッピングの中では、玉ねぎの荒みじん刻みが非常によく、
あえてこのサイズで切っていて、多少辛みも感じるレベルなのだが、
スープの濃厚さがきつくなってくる後半に食べると、
ちょうどよいアクセントになるのである。
海苔とメンマも濃厚スープにはかなり相性が良かった。
やはり海鮮系に海苔は合う。
終盤に差し掛かり、
どのように雑炊が出てくるのか、気になっていたのだが、
雑炊は麺を食べ終えたら店員さんに声をかけて
丼を渡して、完全に店員さんに調理してもらうスタイルであった。
雑炊セット
調理工程を見ていると、
どうやら余計なスープは捨ててくれる模様。
ご飯と合わせて少し温めながら混ぜ込んでくれた模様。
別のラーメン屋のように、少し麺が残っているときに頼んじゃうと、
痛い目見るやつだ。
そして、できあがると、薬味と一緒に再登場してくる。
丼での提供であったのだが、ぐつぐついっており、
しばらく手が付けられなさそう。
岩海苔、青ネギ、柚子皮という豪華な薬味たちを丁寧に投入して、
写真を撮影しているうちに、だんだん温度が下がってきたので、
おそるおそるいただく。
すると、少し煮詰めたからか、蟹のエキスが更に濃厚なったような印象で、
蟹と豚骨の旨味がさらに凝縮した状態で襲ってくる。
これはもはや薬味が無かったらきついくらい濃厚。
正直、濃厚系がきつくなってきた人には、最後しんどいかもしれないが、
個人的には、たまに食べる分には、この濃厚さもまだ美味しく感じられる。
ということで、
贅沢すぎるド濃厚なカニ×豚骨ラーメンであった。
数少ない人形町のラーメン屋のリストのひとつに加わったのは嬉しい限り。
香港でウケたというだけあって、
もしかしたら日本人の舌にはジャンキーすぎるのかもしれないが、
まあ二郎系がウケる日本なので、刺さる人には刺さるだろう。
自分も、ド濃厚な一杯が食べたいなーという時がたまにあるので、
そういう時にはぜひまた来て、今度は別バージョンの味を楽しみたいと思う。
蟹×豚骨が好きな方は、人形町方面へ是非。
※同じく人形町の名店:兎屋さんの記事