ほぼ月一回の訪問となっている巌哲さん。
もう少し頻繁に行きたいところなのだが、
仕事が思いのほか忙しく、やっとこさ行けたのが、
今回紹介する「真鯖」の回であった。
個人的には初めての鯖回である。
しかも今回は、
お世話になっている会社の先輩を連れていくこともあり、
絶対に間違いない回に行こうと決めていた。
間違いないといえば、白身魚系が無難かなーとも思ったのだが、
去年の鯖回があまりに美味しそうで、評判も良かったようなので、
思い切って鯖回にしてみた。
鯖といえば、一般的に食卓にも並びやすく、
巌哲さんで登場するいわゆる「高級魚」と比較すると、
そこまで高級ではないのかもしれない。
しかしながら、
鯖缶の値段があきらかに高騰しているし、
近所のスーパーで売っている切り身も最近は高額になってきている。
DHAやEPAは、潰瘍性大腸炎の症状を抑えるω3系脂肪酸であり、
個人的には積極的に摂取したい油なので、
鯖はふだんから積極的に食べているのだが、
そんな一見ありふれた鯖を、
巌哲さんはいったいどのように料理するのか、
非常に楽しみにしながら早稲田行きのバスに乗ったのであった。
さて、到着すると、いつもより列が少なく数人程度の並び。
高級魚でないからだろうか?
非常にラッキーであった。
今回は、せっかく複数人で来たということもあり、
久々に日本酒とどて焼きも注文。
完全にフルコース仕様にすることとした。
まずはその日本酒&どてから。
特別純米雄町 和心
難波酒造さんの和心。
分 類 : 特別純米
アルコール度数 : 15度
使用米 : 雄町米(岡山県産)
精米歩合 :60%
日本酒度 : +6(辛口)
酸 : 1.6
とのことであるが、
雄町系と言われるジャンルは非常に飲みやすくて個人的に大好き。
久々の日本酒だったので、こういう日本酒らしい日本酒で、
しかもどてをつまみにして飲めたのは、最高であった。
やはり日本酒を頼んだ回は、待っている時間が苦にならない。
そして、いよいよ本編のつけ麺である。
創作つけ麺「兵庫県淡路岩屋産 真鯖」
すさまじい豪華ラインナップ。
なお、どて焼き以外は、デフォルトで付いてくるので、
・麺(上に〆鯖)
・つけ汁(上に西京焼き)
・棒鮨
が標準装備というわけである。
いやー、豪華すぎる。
麺+〆鯖
麺はいつものとおり200g。
お茶漬けを楽しむためにこの量にしている。
そして、麺上の〆鯖がとんでもないクオリティ。
店長さんの説明によると、
「脂のノリすぎていない手前」
とのことであるが、まさにそのとおりで、
〆鯖にまさに最適な脂の乗り具合だったと思う。
つける醤油も、わさび醤油と生姜醤油の2種類楽しむことができ、
まさに至れり尽くせりである。
つけ汁
何とも具沢山なつけ汁。
出汁は昆布と枯れ鯖節のみの出汁ということで、
いつもの白身魚の出汁とは違い、非常に上品で繊細。
大味なイメージがある鯖だが、まったく真逆で、
とにかく昆布との相性が良すぎる。
いつも以上に高級感を感じる素晴らしい出汁であった。
具のラインナップとしては、
・真鯖西京焼
・源助大根
・椎茸
・チーマディラーパお浸し
・糸ゆず
・九条ネギ小口
西京焼き
この西京焼きが反則クラスの美味さ。
日本酒を残しておいて大正解であった。
鯖は塩焼きで食べることが個人的には多いが、
塩焼きは脂が多い鯖の方が合いそうで、
今回の鯖は脂の乗り方的に、西京焼きがピッタリ合っていたと思う。
脂は控えめとはいえ、身は非常に柔らかく、
箸でホロホロと崩れていくレベル。
身の旨味と味噌の塩気のバランスがちょうどよく、
これはお酒もご飯も何杯でもいけてしまいそう。
また、焼きたてということもあって、
皮目の少しパリッとした感じと香ばしさがたまらない。
西京焼き以外の具
最大のヒットは源助大根。
加賀野菜の一種らしいが、煮物向きの大根とのこと。
トロトロというよりは、形をしっかり保っていて、
繊維が非常にきめ細やか、それでいて箸でスッと切れて、
噛んだら染み込んでいた極上スープがこれでもかと溢れ出す。
もう最高である。
大根増しがあったらしたいくらい美味しい。
ぶり大根はよくあるが、さば大根もアリだなあ。
チーマディラーパはイタリアの菜の花とのこと。
若干のほろ苦さはあったが、爽やかな味変要素であった。
棒鮨
今回なんと、この棒鮨がデフォルトで付いてくるのである。
前回のアジフライ丼に続き、
ご飯ものがデフォルトというとんでもないサービス。
小食の方は大丈夫だったであろうか?
〆鯖であれだけ美味しかったので、当然棒鮨も美味しい。
たまたまかもしれないが、
2切れのうち、片方は脂少なめ、片方は脂多めで、
2種類の鯖を楽しむことができた。
また、関西流なのかもしれないが、
シャリと鯖の間に大葉やゴマが入っていて、
それが非常に爽やかで美味しかった。
スープ割・〆の茶漬け
毎回ながら、スープ割後も最高である。
今回もスープ割した後の方が鯖の味が濃くなって、
本当に最後の最後の1滴まで美味しすぎる。
そして、茶漬けのために避難させておいた、
西京焼きの最後の一切れと共に、ご飯を流し込むのである。
これがまた最高。
この瞬間を腹8分目で楽しむために、麺を200gにしているわけで。
今回もその戦略が大当たりであった。
ということで、
今回も最高過ぎる大満足の鯖フルコースであった。
なにより、出汁がいつもとは違い本当に上品で、
枯れ鯖節の美味しさを初めて知ることができた。
普段よく食べている鯖でも、
ここまで美味しく化けるということが衝撃的であった。
また来年の鯖の限定もぜひ食べに行きたいと思う。