上野に数年前にできたラーメン屋。
実は本店は新宿であり、
他は渋谷や銀座にも支店がある。
23時ごろまでオープンしているので、
仕事で夜遅くになっても余裕で入店できるのがうれしいところ。
メインのメニューは3種類
・焼きあご塩ラーメン
・背脂醤油ラーメン
・塩つけ麺
先日ついに3種類制覇したので、今回一気に紹介していこうと思う。
なお、3種類とも美味しいが、
個人的にはやはり店名にも入っている「焼きあご塩ラーメン」が
最もオーソドックスであり、
最初に訪れて迷った際にはこちらを選んでおけば無難だと思う。
焼きあご塩らー麺 (得製)
まずはスープ。
「あごだしの塩ラーメン」という名前だけを聞くと、
透き通ったきれいなスープを想像しがちであるが、
こちらのスープはれっきとした豚骨魚介系のWスープである。
そのうちの魚介の部分にあごだしを使ったという意味合いであり、
あごだしだけの味を楽しむラーメンではないことは予め知っておいた方が良い。
スープのメインは、国産豚のげんこつをじっくり炊いた動物系スープと、
あごだしが中心の魚介系スープのWスープ。
ちなみに、「あごだし」とはトビウオの出汁のこと。
水揚げされた新鮮なトビウオを1匹1匹丁寧に串に刺し、
職人が伝統の技術で焼き上げた後、3日から4日ほど干したものを使っている。
焼きアゴは主に九州で古くからなる親しまれてきた食材であるが
そのおいしさから今や全国的に需要が増え、近年さらに高価な食材になっている。
焼あごから取れる黄金色のだしは、上品で奥深い味わいが特徴とのことで、
イワシやサバなどから作るがっつり系の魚介スープとは一線を画した上品さがある。
すっきり飲み干せてしまいそうな上品さを併せ持った豚骨魚介スープというのは、
他の店にはない特徴かもしれない。
麺は、青竹手打ち麺で有名な栃木県の佐野ラーメンの麺を合わせているとのこと。
ややもちもち感が強めで、程よく縮れている。
スープが意外とサラッとしているので、このくらいの縮れ麺だと、
程よく絡むのでちょうどよいバランスかなと思う。
トッピングは、特製にしたのでチャーシューは豪華に3種類。
中でも、生ハムのような豚レアチャーシューがなかなか秀逸。
鶏チャーシューもしっとりやわらかで食感が心地よく、
しっかり焼かれたタイプのチャーシューもジューシーですばらしい。
海苔はこのタイプには珍しい岩海苔系、溶かすとスープの味変になる。
サクラエビやネギなどもスープの味変となるので、
最後まで刻々とスープの味が変わっていき、最後まで飽きずに楽しむことができる。
ということで、
ややがっつりめの味を楽しめる割には食べ終わりがすっきりしているので、
軽い飲みの後の〆ラーメンなどで、
透き通った淡麗系ラーメンじゃちょっと物足りないけど、
こってりしすぎたラーメンは胃にもたれるのが怖い、
といった場面には最適なラーメンかもしれない。
背脂醤油らー麺
うるめいわしを主体とする魚介のスープに、
キリッと立つ醤油ダレを合わせているとのこと。
あごだしがどの程度入っているのかは不明だが、
表面を覆っている背脂の甘みとの対比が癖になりそうである。
その背脂も、そこまでギトギトするほど入ってはおらず、
背脂大好きな人には物足りないかもしれないが、
このお店に来るような上品なスープが好きな客層にとっては、
ちょうどよい塩梅だと思われる。
麺はスープに合わせて、やや太めになっており、食べ応えも十分。
とはいえ、二郎系ほどのゴツさはないので、ある意味安心。
トッピングのネギについてもスープに合わせてタマネギに変わっていて、
こちらも全体のバランスを考えれば最適だと思う。
また、卓上のゆずこしょうもよく合うのでお勧めである。
塩つけ麺
写真は中盛り。
並盛225グラム中盛り300グラムとのことであった。
つけ麺にしてはかなり細目のように感じるが、
スープは、基本の塩ラーメンよりも焼きあごを増量しているらしいが、
基本的には淡麗系の魚介系強めのつけ麺という印象。
サクラエビの香ばしさがたまらない。
つけ麺には珍しく水菜がはいっており、全体的に爽やかな印象。
昆布水がいっしょに提供されるので、
麺にかけると、麺とスープとの絡みがさらに良くなり、
つるつると心地よい食感を楽しむことができる。
スープが淡麗系なので、スープ割はしなくても飲めてしまった。
塩ラーメンと違って、豚骨成分がほぼほぼないので、
あご出汁を感じたい場合はこちらのつけ麺の方が良いかもしれない。
ということで、
3種類を紹介してきたが、いずれも非常に上品な一杯であった。
透き通ったスープでは物足りないがこってり系はツラい、
という人にはちょうど良い一杯だと思う。
客層として、完全に若者を狙ってきていないなぁという印象。
かくいう自分ももう若者のカテゴリーに属することができない年齢になり、
こういう上品なラーメンが好きになりつつある。
腸は早々に衰えてしまったが、なんとか胃だけは若くありたいものである。