平成最後の記事は、昭和の香りがする老舗中華料理屋。
JR御徒町駅北口から出て、ユニクロと松坂屋の間の路地に佇んでいる。
小さいころには両親によく連れて行ってもらっていたお店だったのだが、餃子の王将ができてからというもの、行く機会が減ってしまったように思う。
長いこと上野近辺に住んでいる父の話によると、50年前くらいには既にあったということで、なかなか歴史のあるお店なのだが、
それこそ上述の王将やバーミヤンなど、チェーン店の勢力拡大にも負けず、地元民に愛され続ける名店である。
まずは、看板からして昭和の香り。
そしてメニュー。
価格表が何度も張り替えられている様子であるが、
それでもかなり安い価格帯を維持しているのは凄いなと思う。
今回頼んだのは次の3点
・餃子 500円
・チャーハン 650円
・焼きそば 600円
この店人気の3点セットである。
餃子
これが、王将にも負けない魅力の詰まった餃子なのである。
5個500円というのは、少し高い気もするが、クオリティは別格。
とくに印象的なのは「手のし」された皮。とにかく美味しい。
非常にモチモチしており、少し箸でのつまみ方を間違えると崩れてしまうほど。
それでいて焼き面はしっかり固めに焼かれていて、香ばしさがたまらない。
この皮目当てで来ている客も多いのではないだろうか。
↓中の餡の様子
写真の通り、中の餡がとにかくしっかり詰まっている。
具材としてはキャベツを中心とした数種類の野菜と肉で、
ひとたび口に入れれば、中から肉と野菜の旨味が詰まったスープが飛び出してくる。
ここまで具がジューシーな餃子はなかなか他では見かけない。
上述の皮もあいまって、まさにここでしか食べられない餃子である。
チャーハン
「昔ながらのチャーハン」とはまさにこのことだろう。
具は、シンプルで、玉子、チャーシュー、長ネギ。
ちょっと油多めかもしれないが、ごはんのパラパラさ加減が最高。
味付けとしてはシンプルだが、これはこれで充分美味しい。
濃すぎないため、餃子と一緒に食べても美味しいというのは一つの利点か。
焼きそば
実はこちらが隠れ人気メニューらしい。
というか、もはやここでしか食べられないという希少性が受けているのだろう。
見た目は完全に「焼うどん」
麺はフニャフニャと柔らかく、炒めるプロセスで切れて短くなった極太麺が最大の特徴。
醤油ベースの味付けであり、中華っぽさはあまりない。
それでも食べていると不思議とクセになる感じで美味しい。
まあこの焼きそばだけを食べにくるということはなくても、
数人で行ったらとりあえず注文しておきたいなと思える一品である。
ということで、
平成最後の記事になってしまったが、今は少なくなってしまった古き良き中華料理屋であり、オーソドックスなメニューの数々を揃えつつ、独創的な「手のし餃子」を武器にチェーン店にも負けないクオリティを誇っている名店である。
餃子好きな方は、ぜひ挑戦してみてはいかがだろうか。