腸壁を削って美味い物を食す

元潰瘍性大腸炎(軽症)患者であった筆者(現在は完治済)が、症状が再燃するリスクを覚悟してでも食べたいと思うほど美味しかった逸品(主に麺類)を紹介していくブログです。不定期更新ですが、地道に書き進めていきます。よろしくおねがいします。

398. 海老寿久担々麺@麺屋 愛心(町屋):新潟発の濃厚海老ビスクと坦々麺のコラボ!

はじめに申し上げておくと、

完全にドクターストップの一杯である。

 

それでも食べたいと思ったのは、

昨年から何度か紹介記事を挙げているラーメン「稲荷屋」の店長さんにオススメされたからである。

美味しいラーメンを出す店長さんが紹介するラーメンが美味しくないはずはない、というロジックから、否が応でも期待は高まる。

ただ、今回は、その期待値を遥かに超えていった。

 

紹介されたのは「担々麵」。

辛いというのは目に見えてわかっていたので、仕事のキリが良くて万が一体調を崩して翌日休んでも大丈夫そうな日に訪問することにした。

 

 

メニューとしては、以下の4つがある。

・麻婆麺

・海老寿久担々麵

・香辣担々麵

・金色煮干中華そば

 

普段なら一番下の「金色煮干中華そば」を選ぶところなのだが、

この日は命を削る覚悟をしてきていたので、迷わず「海老寿久(えびすく)担々麵」を選択。

なお、「海老寿久」とはおそらく「海老」と「ビスク」を組み合わせた造語である。

ビスク=裏漉しした甲殻類をベースに作られる、クリームベースの滑らかで濃厚な味わいのフランス料理のスープのひとつ。

 

海老寿久担々麺

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まず見た目が美しい。

ど真ん中にエビの頭が鎮座し、その周りを肉みそと2種のネギが固め、そして大外を2種類の辛み油が囲んで華を添えており、

背景のスープのオレンジ色の濃さからも、海老の濃さがありありと伝わってくる。

 

そして、驚いたのは、着丼するやいなや襲ってくる強烈な海老の香り。

隣の席でもはっきりわかるくらいであり、ここまで凄いのは初めてかもしれない。

 

まずは、2種の油を避けて、純粋なスープの部分から一口。

驚くべきは、海老の濃度の高さである。

香りといい、味といい、これまで食べた海老系ラーメンでは断トツの濃さ。

優しい胡麻の風味と合わさって担々麵らしさも残っている。

これは美味い。

辛みはそこまで強烈ではなく、2口目3口目が止まらなかった。

 

このスープは、甘エビを殻ごと砕いたのちに、自家製の芝麻醤(チーマージャン:練りごまがベースの中華系調味料)と合わせているらしい。

これはエビ好きの人にはたまらないだろう。

まさに海老を丸ごと食べている感じ。

(これがあったから、稲荷屋さんはビスクじゃなくてコンソメにしたのかも。※参照)

 

続いて、禁断の辛みゾーンへとレンゲを進める。

最初に赤い辣油ゾーンから。

たしかに辛い。

辛いけど、海老と胡麻の甘みと合わさるとちょうどいい甘辛具合となる。

 

次に、黒い山椒油ゾーン。

いわゆる「シビレ系」の辛さなのだが、こちらもめっちゃ合う。

「辛み」としてはそこまで強くないので、味を引き締めるという効果はこちらの方があるかもしれない。

海老が濃厚なので、山椒の風味によって凄くさっぱりする。

 

最終的には両者を混ぜ合わせて、もう一口。

海老の甘じょっぱさとWの辛みが合わさって、素晴らしいバランス。

辛みと言ってもそこまで食べられないほどの辛さで無かったのは良かった。

普段、辛みを禁じられていることもあり、辛い物に魅力を感じることは長いことなかったのだが、ここまで美味しいと話が違ってくる。

 

麺はやや細めのストレート。

スープの存在感が凄いので邪魔しなくて丁度良いのかも。

肉みそとネギもスープに合ってて美味い。

 

また、後半は卓上の昆布酢で酸味をプラスするのがおススメである。

海老の甘味がほどよい酸味で爽やかになるので、飽きることなく楽しめる。

 

そして、ここで終わりでないのが、このお店のすごいところ。

〆が無料でついてくるのである。

 

追いリゾット

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↓からの

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ひいき目なしに最高である。 

坦々スープの辛さがチーズで中和されており、良い塩梅。

残った肉みそやネギも良い感じでリゾットの具として活躍するので、まさに無駄がない。

この〆まで含んで1000円はいくらなんでも安すぎる。

エビ好き&担々麵好きの方にはぜひおすすめしたい逸品である。

 

【参考】麻婆麺

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こちらは絶対に頼めない一品なのだが、 

同行した会社の先輩にひとくちだけ味見させてもらった。

マーボーは確かに辛いのだが、奥にある煮干し出汁が全体を優しく包んでおりしっかりまとまっている感じ。

そこに大葉と山椒の風味が後味を爽やかにさせているのが印象的であった。

麻婆麺というものをあまり食べてこなかったが、こういう美味しさがあるのかと納得。

なお、麻婆麺は、新潟の某中華料理屋が発祥らしく、新潟では定番らしい。

ちなみに、こちらの麻婆麺には半ライスが無料で付いてくるため、ミニ麻婆丼として楽しむことも可能。

 

麻婆餡に合わせているスープは、伊吹島産の銀付き白口煮干しと、土佐清水産の厚切り宗田鰹でコクを出し、道南昆布で旨味を整えた金色煮干清湯スープ、とのこと(お店の説明をそのまま引用)。

出汁だけでもめちゃくちゃ美味しそうなので、次回はぜひシンプルな煮干し中華そばを食べてみたい。

 

ということで、

久しぶりに辛い物を食べてしまったが、翌日の不安よりもその場の美味しさの感動の方が完全に勝ってしまうほどの、素晴らしい一杯であった。

なお、その不安は的中し、翌日、腸の具合は悪くなったので、私と同じ病気をお持ちの方には残念ながらおすすめできない。

ただ、調子を崩してでも食べたい一杯のひとつになったので、

また来年あたり、体調が絶好調の時にでもまた食べに行きたいと思う。 

 

※参考 紹介元である稲荷屋さんの海老系ラーメン

kenshinkk.hatenablog.com