錦糸町の名店「麺魚」(※過去記事参照)。
その麺魚が移転して、その跡地に姉妹店ができるというニュースは昨年耳にしていた。
夏頃にはオープンしていたようだが、今回ようやくその姉妹店に行くことができた。
名前は満鶏軒と書いて「マンチーケン」と読む。
移転作業時から、名前だけは発表されており、鶏がテーマということだけは明らかになっていた。
また、店のロゴマークには大きなニワトリのトサカ。
清湯系なのか、白湯系なのか、はたまた濃厚系なのか、謎に包まれていたが、どんな鶏出汁のラーメンを提供して頂けるのかと、大きな期待を胸に店に向かった。
行ってみて、びっくりした。
なんと、「鶏」と書いておきながら「鴨」だったのだ。
これだけ「鶏(にわとり)」要素が揃っていながら、「鴨」とは…。
完全に意表を突かれた。
ということで、頭の中を鶏から鴨に切り替えて、いざ実食。
メニューは「醤油」「塩」「つけ麺(醤油)」の3種があったが、
自分は「醤油」、同行者は「塩」ということで、基本のラーメン2種を味わうことになった。
特製鴨中華そば(醤油)
まず特筆すべきは、中央に鎮座する「真空低温調理燻製鴨ロースチャーシュー」。
これがとにかく美味しい。
半生でかつ燻されているということもあり、生ハムにも似たような感じ。
鴨版の生ハムなんて食べたことが無かったので、それだけでも感動。
また、もう一つの「鴨モモ肉チャーシュー」も負けてはいない。
分厚くジューシーなモモ肉は、しっかりした噛み応えと野性味があふれており、噛めば噛むほど旨味が飛び出してくる。
今回は特製にしたので、これら2種類のチャーシューがそれぞれ5-6枚ずつというとんでもないボリュームで攻めてくる。
鴨肉好きにはたまらないだろう。
今回1100円と平均的なラーメンよりはやや高額であったが、普通の蕎麦屋の鴨南蛮では、こんな大ボリュームの鴨肉にはありつけない。
そう考えると、この上質な鴨肉チャーシューを思う存分味わえるというだけでもとんでもないコスパである。
続いて、「鴨と水だけで作った」という透き通ったスープ。
ここにキレのある醤油ダレが加わって程よい塩気となっている。
独特のまろやかな風味は1滴だけ垂らされたフォアグラ油とのこと。
細めのストレート麺とも相性抜群である。
また、後半からは、中央に乗った柚子やトッピングの生姜、ワサビなどを追加することができ、自由に味変できるのも素晴らしい。
個人的おススメは、醤油には柚子および柚子胡椒。後述の塩には生姜である。
なお、「鴨と水だけで作った」というのは、御徒町あたりで聞いた覚えのあるキャッチフレーズであったが、権利的には大丈夫なのだろうか?
他のトッピングとしては、鴨と相性抜群のネギはもちろんのこと、シャキシャキの小松菜が良いアクセントとなっている。
また、特製だけについてくる半熟の味玉も文句なしに美味しい。
これで1100円はやっぱり安すぎる。
特製鴨中華そば(塩)
同行者が頼んだ塩。
塩と言っても、塩気自体は醤油の方が強い。
鴨の出汁をダイレクトに味わうことができるため、素材の味を楽しみたい人にはこちらの方が良いかもしれない。
こちらにはトッピングの「生姜」がおススメ。
鴨特有の風味がより柔らかくなるし、これからの寒くなる季節には、体も温まるため、ぴったりだろう。
ということで、ラーメンの紹介は以上であるが、ここで終わらないのが、さすが麺魚グループ。
麺魚常連にはおなじみの「雑炊」の登場である。
残ったスープをご飯の上からかけて頂く。
鴨鍋後の雑炊がこの上なく美味しいのと同様に、鴨ラーメン後の雑炊が美味しくないわけがない。
雑炊用ごはんは(小)と(大)から選ぶことができ、
ごはんの上には、ネギ、柚子胡椒、鴨モモ肉チャーシューの細切れ、が乗っている。
今回は(小)を2人で分けたのだが、量的にはそれでも充分であった。
正直、ラーメン後の雑炊は個人的にはそんなに好きではなかったのだが、ここや麺魚においては完全に例外、毎回頼むことになるだろう。
ということで、麺魚グループはやはりさすがのクオリティであった。
今後、鴨肉を思う存分食べたいなと思ったときには、第一の選択肢になるだろう。
※麺魚の記事はこちら。鯛出汁の名店。