さて、ファイナルファンタジーの記事も、8つ目になる。
FF9は実は最も最近プレイした作品であり、
2017年に入ってからスマホ版でプレイした。
もとのPS1版を知らないが、
2000年にこのクオリティというのは本当にすごいと思う。
なぜFF8がスマホにならずにFF9を優先させたのかは謎だが、
まあいろいろな大人の事情があったのだろう。
以下、ネタバレ注意。
(1)戦闘システム
原点回帰というべきなのか、
FF8のような難解なシステムではなく、
オーソドックスに武器や防具を装備して強くしていく成長システム。
アビリティが武器や防具についているという点も良かった。
ただ、序盤にいろんな武器や防具を身につけさせてアビリティをたくさん覚えさせておいた方が良く、
終盤になって、「あのアビリティをつけておけば良かった…」となることには気を付けなければならない。
ポイントとなるアビリティは、各種状態異常無効化と「いつでもリジェネ」。
これらは取得して早々からラストまで役に立つ。
逆にこれらをつけていないとかなり苦しかったりする。
そして、必殺技的な扱いの「トランス」。
攻撃力も上昇するし、特殊技やW魔法などが使えるようになる。
このトランスをボス戦でうまく使えるかどうかが難易度を大きく左右する。
また、スマホ版では「ダメージ9999」「HP・MPマックス」「エンカウントなし」などのチートモードを一時停止して切り替えることができる。
正直、最初は使うもんかと思っていたけど、
時間が無くなってきて、ストーリーに関係ない雑魚戦やレベル上げでは使わせてもらった。
使った方がレベルアップに時間とられすぎなくて効率が良く、ちゃんとストーリーを楽しめた気がする。
最近ではブレイブリーデフォルトシリーズがエンカウント率を調整できたけど
今後出てくるゲームもこういうシステムは入れてほしいなと感じた。
また、ラストバトルは今回も白熱した。
暴走したクジャと、永遠の闇(ペプシマン)と戦うわけだが、その最後の演出も良かった。
トランスクジャの「アルテマ」は完全に終わったと思った。
フレアスターの連発に耐え、何とか倒したと思った矢先だったので、あやうくリセットしそうになった。
永遠の闇は、ぽっと出のラスボスで正体はよくわからなかったけど、その強さはやはりラスボスだった。
全体状態異常にさせる「グランドクロス」や、攻撃呪文「ニュートンリング」がかなり強力で、そのコンボで何度も全滅した。
某サイトでは最弱とか言われているが、トランスやアビリティを駆使しないと勝てなかったので、自分的にはちょうどよい難易度だったと思う。
(2)BGM
最初のタイトル画面の曲がもう素晴らしい。
「いつか帰るところ」というこの作品の主題ともいうべきタイトルが付けられている。
他にも名曲がたくさんあり、
「襲撃」「独りじゃない」「守るべきもの」あたりはプレイリストに入れたい。
癒し系では、フィールド曲の「あの丘を越えて」が定番。
街の曲では「ダリ」がダントツだが、意外と「トレノ」も良い。
戦闘曲は通常戦闘曲、ボス曲ともに素晴らしいが、
やはりラスボス2連戦「破滅の使者」「最後の闘い」はどちらもものすごく燃える。
また、一戦でしか使われなかったが、「この刃に懸けて」が最高。
なぜチュートリアル的な場面でしか使われなかったのだろうか。
正直ラスボス戦でも良いくらいの名曲。
そしてやはり、エンディングの「Melodies of Life」が素晴らしい。
「終わり良ければ総て良し」だなぁと常々思う。
(3)ストーリー
一貫して「生きるとは何か。命とは何か。」をテーマにしたストーリー。
いろいろな話が出てくる中、軸がぶれずにあったのは良かった。
世界観的にはファンタジー感が強かったので、シリアスなストーリーとのギャップが凄かったけど、最後は感動的だった。
序盤は、アレクサンドリアの王女ガーネットをいかに救うかという話と、
黒魔導士ビビの正体に関する話が中心。
主人公のジタンはFF7-8の流れとは正反対で、ものすごく明るいキャラ。
常にチームの中心で周りを引っ張っていくタイプ。
しかし、終盤でその生い立ちが明らかになってきて、一気にストーリーの中心になっていく。
終盤の展開をざっくりまとめると、
主人公ジタンは別の星(テラ)から来たジェノムという種族であり、
テラの管理者であるガーランドの計画により、ジタンが今住んでいる星(ガイア)を乗っ取るためにクジャとともに送り込まれた存在だった。
兄にあたるクジャはその準備として、黒魔導士(ゴーレム)を使ってガイアに戦乱をもたらしたが、自分も死んでしまうという宿命を知った結果、暴走してしまう。
ジタンはガイアを守るために、暴走したクジャを止める、という展開。
人でない仲間が多いFF9だが、実は主人公も人ではなかった。
ガーネットやビビをはじめ、序盤で仲間のことを色んな形で救ってきたジタンが、最後に思い悩んでしまうが、逆に全員に励まされて戻ってくるという展開は良かった。
全体を通してみると、黒魔導士ビビの成長物語としても読めるわけで、
印象的にはそちらの方が強かったりもする。そのくらいビビは良かった。
普段、黒魔導士キャラは使わないことが多いが、
今回のFF9では常に一軍メンバーで使い続けていた。
気弱な黒魔導士の少年が、
実は自分が生き物ではなく、人工的に作られた生物兵器で、寿命も近いということに気付いてしまい、
「生きるとは何か…」という答えを探して主人公のジタンとともに旅を続けていく。
見た目からして頼りないし序盤は弱気なのだが、
次第に心が強くなっていって、パーティには欠かせない存在となっていく。
黒のワルツ3号との魔法の打ち合いは見物。
また、エンディングをはじめ、名言製造機でもある。
ラストバトルから数年後となるエンディングでは、
ビビはもう死んでいて、その最期の言葉が流れ、心にグサグサと刺さる。
その言葉は、ビビの子供たちに伝えられているというのが良かった。
そして、それと対照的に描かれる、ジタンとダガー(ガーネット)の再会。
正直、マーカスが頭巾かぶって出てきたところから「あ、ジタンだ」とは思ったけど、
それでも演出としては良かったと思う。
最高のエンディングと称賛されているのもわかる気がする。
以上まとめると、
ファンタジーな世界観でありながら、「生きること」をテーマにしたシリアスなドラマ要素もある、上質なストーリであった。
というわけで、
レビューを残しているのはあと2作品「7」と「10」。
「7」がリメイクされるまでに残り2つを書き切ろうとは計画中であるが、
この2つは思い入れの強い作品なので、果たして書ききれるのだろうか。