長年住んだ入谷を近々離れることになり、
以前紹介した、休日限定の蕎麦屋の名物メニューをそういえば食べていない!
ということで、慌てて訪問。
上記の通り、前回は肉せいろ。
そのときに、まわりのお客さんがこぞって頼んでいたのが、
今回の冷やし肉南蛮、通称「冷し肉南」である。
※お店のメニュー通りの表記である。
なお、メニューにも「太麺」と書いてあったので、
覚悟はしていたが、その想像をはるかに超えた極太麺がこちら。
冷し肉南 900円
器からはみ出んばかりの極太麺が印象的な一杯。
日本蕎麦界の二郎ともいわんばかりの豪快な盛り付け。
二郎でいうところのアブラのかわりにネギが大量に乗っているのは嬉しい。
何より、この極太麺である。
これはすごい。
いままでこんな太い麺食べたことがない。
やや固い部分もあるため、歯が弱い人は無理かもしれない。
とにかく食べ応え抜群の極太麺である。
これだけ太いと、スープとちゃんと絡むのかが心配になったが、
実際、スープが濃いめに作られていて、
なおかつスープにしっかりと肉の旨味が染み渡っているので、
この極太麺にも負けないのである。
また、ただ太いだけではなく、太さが不規則なのが素晴らしい。
これが1/fゆらぎというやつだろうか。
ほどよいランダムさがあり、ひとくちひとくち固さや食感やスープの絡み方が違う。
だからこれだけのボリュームがあっても全く飽きがこないのだ。
そして、極めつけは肉。
蕎麦屋にしてはとにかくボリュームのある肉である。
しっかりスープが染み渡った豚バラ肉はとにかく絶品。
この肉と、大量のネギと、極太麺の3点セットをスープにくぐらせて、
口いっぱいに頬張ったときの幸せ感たるや、すさまじいことこの上ない。
「肉」という漢字がメニュー名に入っている時点で、
爽やかさを求めてはいないだろうが、
普通のお店の肉南蛮からは想像がつかないくらいジャンキーな一杯。
これは中毒性がある。
休日毎回通るたびにこの店の前に行列ができていたので、
ただの蕎麦屋なのになぜだろうと思っていたわけだが、
大変失礼いたしました。
この肉南はたしかにここでしか食べられない。
並ぶのも納得である。
入谷からは離れてしまうが、
ここにはたまに食べに戻って来ようと思った一杯であった。