腸壁を削って美味い物を食す

元潰瘍性大腸炎(軽症)患者であった筆者(現在は完治済)が、症状が再燃するリスクを覚悟してでも食べたいと思うほど美味しかった逸品(主に麺類)を紹介していくブログです。不定期更新ですが、地道に書き進めていきます。よろしくおねがいします。

448. DRAGON QUEST YOUR STORY ネタバレ感想(辛口)

ネットで問題作と話題になっているドラゴンクエスト ユアストーリー。

公開3日目の今日、朝イチから見てきたわけだが、

賛否両論ある展開で、筆を執らずにはいられなかった。

 

ネタバレなしの範囲で書くなら、

DQ5ファンであれば一応楽しむことはできる作品

・グラフィックは綺麗、BGMも名曲揃い

DQ5のストーリーにどっぷり浸りたい人にはおすすめしない

DQ5未プレイの方にはおすすめしない

というところ。

 

この時点ですでにやや辛口となっている。

つまりは、ドラクエを好きすぎても興味なさ過ぎてもツラい作品なのだ。

自分は過去記事(※)で感想を垂れ流している位に「好きすぎる」方だったので、

正直、「もう一度見たい」とは思わなかった。

でも良いところはたくさんあって、楽しむことはできたし、

一応、「見て良かったな」とは思ったので、記事にはしてみようと思う。

 

前置きが長くなったが、ここから内容に触れていこうと思うので、

ネタバレ回避スクロール。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ということで、

あらすじを原作と比較しながら。

振り返っていきたいと思う。 

 

①幼少期

まず冒頭。

名曲「王宮のトランペット」とともに表示されたのは、まさかのスーファミ画面。

幼少期はスーファミ画面でほとんどすっ飛ばされるわけで、

こんな端折り方があるのかとびっくりしたが、後で理由を知って納得した。

 

予告編でもあったCGで描写されるのは、

サンタローズでのオーブすり替えのシーンと、

ヘンリーが拐われてパパスがゲマに殺される流れのみ。

 

まさかのレヌール城ほぼスキップである。

(一応、スーファミ画面でのダイジェストはあった)

ビアンカとの大事な冒険シーンでもあり、ゲレゲレとの出会いのきっかけや、

ゴールドオーブのくだりがあるのに端折るのかと驚いた。

しかも、端折りながら、なぜかゴールドオーブはドラゴンオーブになっている。

(この理由も後に明らかに。ただ、ここは良改変だった)

 

端折られなかったシーンでいえば、パパスの最期のシーンは良かった。

ちなみにパパス役は、山田孝之さん。おなじみ「勇者ヨシヒコ」である。

ヨシヒコを全く感じさせない演技で、素晴らしかったと思うが、

素晴らしかっただけにもうちょっと幼少期をじっくりやってほしかった。

ぬわー」に至るまでがとにかく早すぎた。

ゲマは吉田鋼太郎さん。さすが演技に迫力があり、適役だったと思う。

やはりこのストーリーのラスボスはゲマだなと思った。

 

②青年期前半

さて、あっというまに青年期に入ると、ドレイから脱出までは1分かからない。

でも、ここのBGMで5ではなく6の「」を使ってくれたのは良改変。

マリアはバッサリカットで、樽に入って海ではなく大神殿の城下町へ。

そこになんとプサンがいる。

プサンの協力で、ヘンリーはすんなりラインハットへ。

偽大公のくだりはまるまるカット。

サンタローズであっけなくサンチョと再会。

なお、サンタローズは妖精の村がカットされたせいか冬のままである。

地下室のパパスの日記から、天空の勇者の存在を知り、すぐに剣のあるルドマン邸へ。

(ルドマン家の秘宝が盾から剣に変わっている)

正直、このあたりのスピード感は良かったと思う。

 

ルドマン邸にてフローラと再会。

幼少期すっ飛ばされた割には、フローラとはすでにかなり仲が良い。

しかも、お互いまんざらでない様子。これものちのち設定だとわかる。

なお、結婚条件は指輪探しではなく、ブオーン討伐に変更されている。

ずいぶんハードルが上がったものである。

 

ブオーンには瞬殺されてしまうが、偶然酒場でビアンカと再会し、助けてくれる。

なお、ビアンカはこの時点でベギラゴンが使えるエリート魔法使い。

そのビアンカの助けもあって、ブオーンに挑むが、

頼みの天空の剣が抜けなくてピンチに陥る。

正直、さすがに勝てないだろと思っていたのだが、

バギマによる目つぶし作戦であっけなくブオーンに勝利。

しかもブオーン服従させることに成功。

(そのまま旅につれてってゲマ倒しに行けばよかったのに)

 

原作では、ルドマンから結婚相手をどちらにするか一晩考えろとなるのだが、

この映画では、リュカがフローラにプロポーズするというまさかの流れ。

フローラもそれでいったんは承諾するわけだが、

その日の夜に宿屋にいた占いババの薬でリュカが本心に気付き、

最終的にはビアンカを選ぶことになる。

その後、占いババの正体はモシャスで化けたフローラであり、

リュカの本心を確かめるためだったことが明らかに、という展開。

 

ここでいろいろと展開を変えていったのは、なかなか良かったと思う。

ただ、レヌール城をばっさりカットしているのと、

ビアンカがとてつもなく酒豪で、飲みつぶれて寝ているという描写もあり、

なんだか、あまり感情移入ができなかった。

レヌール城での一幕や、山奥の村でのくだり、結婚前夜のセリフなど、

それらがあって初めてビアンカを選びたくなる気持ちがわかるわけで。

(まあ、その分この映画ではブオーン戦があったわけだが)

 

結婚後は冬のサンタローズでサンチョと3人暮らし。

ここでBGMとして、DQ6の「木洩れ日の中で」を使うアレンジは良かった。

なお、グランバニア王の息子であることが判明しているのに、

なぜ城に戻らないのだろうか?

このあたりは何かしら説明があっても良かった気がする。

また、リュカの母マーサが「天空人」という設定になっているのも原作と異なる。

原作では、マーサがエルヘブンの民で、

エルヘブンの民と天空人の血が混ざることで勇者が誕生する

といったシナリオだったはずなので、

目の色うんぬんをいわれても、いまいち説得力がない。

 

ちなみに、子供は当然ふたごだと思っていたのだが、

まさかの娘さん全カット

息子だけが生まれて、しかも名前がまさかのアルスDQ7の主人公名)。

正直ここはテンションが下がってしまったポイント。

いやー、レックスタバサでしょ。

 

生まれてすぐにゲマたちがサンタローズに襲来。

ビアンカ連れ去られ、リュカはサンタローズで石となる。

サンタローズは一応山地ではあるが、そこまで標高も高くないし、

石にされた場所が谷っぽいところだったので、

ゲマの「ここで世界が終わるさまを見届けなさい」が響いてこない。

デモンズタワーの最上階だからこそ、このセリフだったのに…。

う~んと思いつつ、8年後を迎えるのだった。

 

③青年期後半~エンディング

8年後、息子とサンチョが来てストロスの杖で復活。

ここはあっけなさすぎたので、もう少し絶望感出してほしかった。

オークションで売られてからの孤島のジージョの家で8年だからこそ、

絶望感や時間の流れの無情さが感じられたのに。

 

リュカ復活と共に、敵に襲われるが、

リュカが投げた天空の剣を使えたことで、息子が勇者であることが発覚。

ここの演出は素晴らしかったと思う。

 

プサンの元へと向かうと、プサンマスタードラゴンあっけなくバレる。

ドラゴンオーブを紛失していて、それを求めて妖精の城へ。

なぜかチゾットメタルハンターと戦うという謎のくだりを経て、

妖精の城にたどり着くが、大人なのに妖精見えてる・・・。

 

さて、過去のサンタローズへ行ってオーブすり替え。

この映画で一番良かったのはこのシーンかもしれない。

原作でもあったが、「このさきつらいことがあるだろうけど…」のくだりは最高。

なお、嫁選びのコツとかちゃっかり語っちゃってるリュカがおもろい。

 

マスタードラゴンが復活すると、一気にゲマ戦へ。

なお、マーサは魔界ではなく、大神殿の上空の祭壇に居る。

ビアンカもそこで石になっており、ストロスの杖で復活。

しかし、結界が破られてマーサが死亡。

魔物の集団も襲いかかってくるが、

ヘンリー率いるラインハット兵団とブオーンが助太刀

この展開はなかなか熱くて良かった。

 

そしてリュカは息子とともにゲマを倒すのだが、

ゲマがマーサの力を借りる形で魔界の門を開く。

 

ここまでは、賛否両論あれど、想定していた範囲。

正直、ここからは想定外の展開であった。

 

まず、魔界の門に天空の剣を投げた時点で、なぜか時が止まる。

動けるのはリュカだけとなり、謎の人物(ミルドラース?)襲来。

まわりの世界のポリゴンが崩壊し、リュカ以外全部消える。

 

この映画自体、実はドラクエ5を模したVRゲームの世界だったことがわかり、

主人公リュカはそのVRゲームのプレイヤー

謎の人物は、ミルドラースに擬態したウイルスだそう。

幼少期スキップや、メタルハンターとの戦いフローラへの異様な好意は、

VRゲームの初期設定オプションであったことがわかる。

さらには、「ゲームばっかやってないで大人になれよ

的な発言をするミルドラース

ここにきて、まさかの現実に引き戻される展開であった。

その後、スラリンが実はワクチンソフトであり、剣となってミルドラースを征伐。

世界は元に戻り、家族や仲間は無事にもどってくるのだが、

最後、リュカ(に入っているプレイヤー)の、

現実の世界に戻らなくちゃなー」的なセリフがあり、エンディングとなる。

 

④まとめ

いやー、最後の最後、一気に現実に引き戻された。

映画として一本の筋は通ってる。なかなか面白い設定。

でも正直、「期待してたのと違う!」と思った人が多いのではないだろうか。

せっかく休日に、ドラクエの世界に浸るために、映画を見に来たのに、

最後の最後で、現実に引き戻されるラストはまさに阿鼻叫喚だろう。

 

勿論、グラフィックは素晴らしいし、演出も素晴らしいものがあった。

それだけに、ラストだけは、どうにかできなかったかなというのはある。

たとえば、ミルドラースは普通に登場して、

第2段階も倒したのに、なぜか死なない。

死なないどころかさらに凶暴化するが、スラリンが活躍して倒す。

そのあとで、実はVRゲームで、凶暴化はウィルスが原因で、スラリンは対策ソフトで・・・的な種明かしをする、という展開なら納得できたのに。

と個人的には思うのであった。


それでも、これが本当にVRで出たら当然やってみたいし、

やっぱりDQ5は良かった。

 

実をいうと、今この記事を書き終えたら、

もう一度DQ5(今度はスマホ版)をプレイし始めようと思っている。

そう思わされただけでも、映画としては楽しめたんだと思う。

 

やはりDQ5はすごい作品だと、改めて実感したのであった。 

 

※ゲーム版DQ5感想

kenshinkk.hatenablog.com

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