腸壁を削って美味い物を食す

元潰瘍性大腸炎(軽症)患者であった筆者(現在は完治済)が、症状が再燃するリスクを覚悟してでも食べたいと思うほど美味しかった逸品(主に麺類)を紹介していくブログです。不定期更新ですが、地道に書き進めていきます。よろしくおねがいします。

381. ゼノブレイド2:黄金の国イーラ 感想

長々書いてきたゼノブレイド2のレビューもついに最終回。

 

ストーリーにおいて非常に重要な要素となっている「500年前の聖杯戦争」これが前日譚として別パッケージでソフト化されたのが本作。

 

本家ゼノブレイド2(以降、本編とする)のエキスパンションパスを買うことでもプレイでき、ほぼ同額なので、本編を持っている人は間違いなくエキスパンションパスの方が得だろう。

 

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↑このタイトルバックも、遊び終わった後に見るとなかなかこみ上げるものがある。 

 

要素別にレビューをしていこうと思う。 

 

・ボリューム 

プレイ時間は25時間程度。

ゼノブレイド2の本編でいう3〜4章分くらいの長さ。

でもDLCの追加エピソードとしては、文句なしと言わざるを得ない大ボリュームであった。

 

・グラフィック

前作と比べても超絶的に綺麗。

なんと、グラフィックエンジンをこの追加エピソードのためだけに一新したらしい。気合の入り方が凄まじい。

風で草が揺れる感じとか、動物たちの毛並みとか、細かいところまでものすごくリアル。

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・BGM

本作のために新録されたのが10曲以上あるらしい。

とくに、ジャズピアノから始まる通常戦闘曲が抜群。オシャレでスタイリッシュながら戦闘にぴったりのアップテンポで素晴らしい。

各街の曲も穏やかな感じで落ち着く。

500年前のグーラBGMも本編のアレンジバージョンとなっており、ピアノメインでちょっとアップテンポ気味なのだが、疾走感があって素晴らしい。

 

・ヒトノワ(サブイベント)

エリア別に表示されるなど、本編と比べてわかりやすくなったのは嬉しい。

ストーリー中で強制になった部分もあったのだが、そこまでストレスに感じることもなく進められたのは良かった。

そのうえ、サブイベントも本編に結構かかわる内容が結構あって楽しめる内容だった。

ひとつ挙げるとすれば、グーラの「リタのオアシス」は、本作でリタという新米ドライバーとそのブレイドとのサブイベントを通じて名がつけられたということがわかる。

このように、本編の内容を覚えているとプレイ中におや!と気づけるポイントや仕掛けが多く、遊んでいて非常に楽しかった。

 

・クラフト

キャラごとに持っている固有のスキルによって、アイテムを作り出すシステム。

たとえば、ラウラは組紐、シンは料理、など、バトル中の能力を上げるアイテムを作成できる。

キャラクターのところで後述するが、このクラフトが個性があってなかなか凝っていておもしろかった。

 

・バトル

本作では、ドライバーとブレイド2体との3人で操作キャラを切り替えながらバトルするという、本編とは全く異なる方式をとっている。

切り替える際に体力を回復したり、相手にダウンやライジングを与えたりといった付与効果があるので、積極的に入れ替え(ブレイドスイッチ)しながらバトルを進めていく。

また、属性玉については、特定の順番を通らなくても付与することができるため、コンボに繋げやすくなり、本編よりもダメージが与えやすくなった。

以上のブレイドスイッチシステムと属性玉システムの簡素化により、戦闘のテンポが本編に比べて非常に良くなったので、戦闘は毎回サクサク進み、非常に心地よい。

 

・キャラクター

登場人物たちの会話も面白いし、それぞれキャラが立っているのが良かった。

 

主人公は本編でも登場したラウラ。シンのドライバーだった人物である。

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ラウラは右。若く見えるが27歳らしい。

若くしてシンのドライバーとなり、シンに助けられながらも傭兵の仕事で何とか食べているという状況。

シンと剣を受け渡しながら戦うが、基本戦闘は素手で戦うというツワモノ。

クラフトは母から教わったという組紐

シンが料理が得意という設定なので、料理は全くできない模様。

 

左はブレイドのカスミ。本編ではファン・レ・ノルンと呼ばれていた。

本作では貴重なヒーラーである。

ラウラが亡くなった時にコアに戻り、その後マルベーニがマンイーターとして復活させたのだろう。

 

もう一人の主人公が本編では敵だったシン。

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このシンが500年前にどのような旅をしてきたのかが語られてるストーリーとなっている。

なお、闇落ちする前なので、性格は非常に温厚。ドライバーのラウラに対しても忠実極まりないブレイドである。

本編とは全然キャラが違うので、最初は違和感しかなかったが、進めるにしたがって徐々に彼の本質も明らかになってくる。

上述の通り、料理が得意で、レパートリーも豊富。日常会話やサブイベントでも料理関連の物が多い。 

本編を進めているときには、まさかシンがこんなに料理ができるキャラだとは思っていなかったので非常に新鮮だった。

 

旅の途中で、イーラの第4皇子であるアデルと出会う。

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彼は後に英雄と呼ばれるわけだが、

ラウラたちと出会った頃は、天の聖杯ヒカリのドライバーになりたてであった。

本編では姿を意図的に隠していたが、本作ではあっさり披露したのは意外だった。

非常に明るく前向きな自由人だが、博識であり、時には冷静な判断を下すあたり、さすが一国の皇子といったところか。

 

一方のヒカリは、まだ生まれたばかりで自分の力を制御しきれずにいる様子。

本編と大きく違うのはホムラの人格が形成される前であるため、ホムラが登場しないこと。そして、ホムラがいないということはすなわち、性格が単細胞の猪突猛進で、料理がおぞましくヘタということである。

彼女のクラフトもシンと同様「料理」なのだが、ほぼすべての料理で黒煙が上りモザイクがかかっているという、期待を裏切らないレベルである。

というか、そもそも、なぜ料理に虫をいれてしまうのだろうか・・・。

なお、だいたいイベントで不味い料理の話になると、だいたいヒカリがレシピを習得するという流れになる。

 

また、シンにも頻繁にいじられており、戦闘後の会話では、

シン「何が食べたい?」 

ヒカリ「お肉!」 

シン「分かった、野菜だな」 

とたしなめられていたのは面白かった。

 

旅の途中で、スペルビアの皇帝であるユーゴが仲間に。

カグツチも連れている。

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ユーゴはネフェル皇帝とそっくり。

カグツチは相変わらずである。

カグツチといえば、ヒカリとの罵り合いが名物となっており、初対面の時点から互いに「単細胞」「陰湿」と罵りあい、正式に仲間になってからも戦闘後の台詞などでお互いの戦い方を貶し合ったりしている。

とくに、カグツチがヒカリのことをゴゴール(この世界でいうゴリラ)に形容しているのは笑った。

 

また、本編でメレフのもうひとりのブレイドだったワダツミも健在。こちらは魚料理のレパートリーが半端ではない。比較対象が酷いだけに、どれも美味そうなメニュー名であった。

 

進めていくうちに、マンイーターである「ミノチ」も合流。

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本編で登場するインヴィディアのコールじいさんがこの人である。

500年前から生きていたのかー。 

また、本作でのクラフトが「執筆」なのも面白い。

話が進んでいくと、クラフトのメニューに「聖杯大戦」なるものがでてきて、これがあの劇の台本の元になったのかと思うと胸熱である。

 

・ストーリー (ネタバレ注意)

話としてはシンプル。上記のパーティで、メツの世界崩壊を止める目的に向かってひたすら進む。

舞台はイーラとグーラの2つのアルスだけなのだが、十分広い。

とくに、イーラは3つの大きなエリアに分かれていて、砂漠から森林から水辺までなんでもある。

ただ、残念ながらメツが破壊の限りを尽くしているため、荒れ果てた村や町が多い。

そんな中、ラウラご一行は、行く先々で困っている人を助けながら、メツの足取りを追っていく。

途中、グーラでラウラの母が住んでいたはずのトリゴの街に行くのだが、こちらもメツに滅ぼされた後であり、ほとんどの建物が真っ黒に焦げているのは、なかなかショックであった。(ここが、本編の「楽園」のBGMなのも胸に刺さる)

その後、反乱軍やイーラ国軍をも巻き込んで戦うため、イーラの王都を目指すことに。

王都の手前の村で、シンが昔仕えていたドライバー:オルネラの家に偶然辿り着く。

その集合写真を見たラウラの発案で自分たちもということで、写真を撮影する一行。

奇しくも、その写真が全員そろう最後であった。

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↑この集合写真を撮るシーンが良いのだが、結末がわかってしまっているだけに切ない。

 

なお、この時にシン自身が研究していたマンイーター化の方法を記した手帳を見つけてしまう。

 

王都に進むと、ラウラご一行および王国&抵抗軍の連合軍と、イーラのコアを狙うメツとの全面戦争となる。

決戦を前に、ラウラが騎士の称号を受ける。ジャンヌ・ダルク的な形で英雄に仕立て上げるつもりなのだろう。

このときの

「いつかさ、いつか私が死んでシンがコアに戻る日が来るわけだよね。みんな忘れちゃうにしても、その仮面だけでも持っててくれたらいいのにな・・・」

というラウラのセリフがなんとも切ない。

 

メツにイーラの制御装置を奪われてしまい、イーラのコアの前で最終決戦に。

メツがヒカリを挑発するように王都アウルリウムを灼いたことで、ヒカリはアイオーンを目覚めさせて力を暴走させる。

もはやアデルの言葉もヒカリには届かず、ふたつの天の聖杯の闘いの余波は周辺全てを焼き尽くした。

最後の一撃でかろうじてメツを倒すことに成功するも、イーラのコアは完全に破壊され、沈みゆくのを待つしかなかった。

この戦いのなかでユーゴはアデルを庇って倒れ、カグツチとワダツミのコアクリスタルはスペルビアへと帰った。

 

戦いのあとでヒカリはミルトが戦火に焼かれたことを知り、絶望。

ホムラという新たな人格を作り出して、自身はその裏に隠れてしまった。

 

その後、アデルたちと別れたラウラ一行は、ブレイドイーターの失敗作であるゴウトの襲撃を受けるがなんとか退ける。

この後、たどり着いた抵抗軍キャンプにて、マルベーニのブレイド狩りに遭い、本編でも語られていたように、ここでラウラが致命傷を負う。死の間際にシンがラウラを食べてマンイーター化。

サタヒコは抵抗軍の残党とともにブレイドイーターの被験体に。

マルベーニに回収されたカスミは、コアクリスタルの半分を食われて名前を失い、ファン・レ・ノルンとして、法王庁の象徴として仕えていくことになる。

一方で、アデルはリベラリタス島嶼群へ渡り、ヒカリの暴走させた力とホムラの肉体を別々に封印。

そして、月日は流れて・・・、その封印をレックスが解放する。

 

というところまでが、黄金の国イーラのストーリー。だいぶ端折って書いているが、濃度が半端ではない。

DLCにしてこのボリュームは圧巻のひとこと。

 

まとめると、ゼノブレ2ファンにとってはたまらないDLCであるので、ゼノブレ2ハマった人は絶対に買って損はないと思う。

本編にこの話まで盛り込むと確かに長すぎてしまうので別枠にしたという判断は大正解だと思う。

 

ということで、12回にわたり書いてきたこのゼノブレイド2。

まぎれもなく2018年の個人的ベストゲームでした。

他にも今年遊んだゲームで名作がたくさんあったが、それはのちのち年末年始休みあたりに、のんびり書いていきたいと思う。

ということで、次回からはまたグルメブログに戻る予定です。