今回は土曜日の訪問だったのだが、貝のつけ麺を食べることができた。
おそらく前回記事※で書いた金曜日の潮くろ㐂にて浅蜊が余ったために
土曜日にも引き続き登場したということなのだろう。
限定13食だったので、普段金曜日に行けない自分としては非常にラッキーであった。
浅蜊白湯つけそば 1500円
つけ汁はこちら。
まず、特筆すべきは浅蜊のつけ汁。
浅蜊だけでこんなに濃いスープは正直初めてであり、それだけでまず感動。寿司屋などで出てくる浅蜊の味噌汁よりも浅蜊感が断然強かった。
そこに、表面で膜を張っているオリーブオイルの風味と、ローストトマトの爽やかな酸味が加わり、イタリアン的なアレンジとなっている。
そして、今回の麺は小麦の香りが強く、モチモチ感強めでかなりパスタ寄りであった。
ここで、具をひとつひとつ考えていくと、浅蜊、オリーブオイル、トマト、パスタ…、まるでボンゴレロッソのパスタではないか。
それを厳選素材でやっているわけだから、どおりでおいしいわけである。
また、麺の上の色鮮やかな野菜たちも素晴らしい。
黄色人参、紫人参といった普段食べ慣れていない京野菜あったが、どちらも柔らかく煮てあり、自然な甘さがたまらない。
季節の野菜である菜の花のおひたしは、ほのかな苦味もあるが、基本的にはさっぱりした味なので、つけ麺の合間に食べるとちょうど良い。
そして、なんと言っても、大量に乗っている白菜の浅漬けが素晴らしかった。そのままで食べてもほのかな塩気がちょうど良いところであり、シャキシャキ感も心地よい。
それをつけ麺と一緒に食べると、ビフォーアフター的に「なんということでしょう」と言いたくなるほどの相性の良さである。
そして、シメはトマトベースの昆布出汁という、これまたすごいスープ割りである。スープは完全に赤く染まり、多少塩気が緩和される。
トマトの甘味と酸味が浅蜊スープと合うのはもちろんのこと、昆布出汁が非常に優しく全体をまとめてあげている。
もちろん最後の一滴まで飲んでしまった。
ということで、浅蜊のつけ麺というのは初めてだったが、貝の濃厚系というジャンルに新たな可能性を感じる一杯であった。
※前回記事