中国の出張報告を別部署の人に対して行う機会があった。
以前、自分が所属する開発部内向けで20分で発表したが、その時の資料を使ってそのまま発表してください、という指示を受けていた。
自分の番は3人中3番目の最後だったわけだが、フタを開けてみたら前の発表が伸びる伸びる。
自分の番になった時には、残り時間はなんと10分を切っていた。
そして、司会の方から告げられた一言は
「10分でサラッとお願いします」
正直、焦った。
まず、20分用で作っている資料だし、前日に時間ピッタリに終わるように練習もしてある。
それを半分にするというのは相当厳しい。
それに、出張の報告なので、内容を漏れなく伝えたいところではあったし、他部門(おもに営業)の人に伝えたい事も多くあった。
それでも、時間が押している以上、オーバーして聴衆を不機嫌にさせるわけにもいかない。
頭の中はフル回転。どこをどう削るべきか、司会の方がスライドを表示させる間の数秒で考えるだけ考え尽くした。
しかし、20スライドを10分以内で話し切る名案は一切浮かばない。
そこで覚悟を決めた。
言いたい事だけを言おうと。
詳細な内容については、読むのをやめた。
ほとんどのスライドは、「タイトル」と「まとめ言葉」だけ。
そこに、わずかなつなぎ言葉を加えて調整。
それでも、1スライド1メッセージの原則を守っていたおかげで、意外と自然な流れで発表することができた。
そうすることで、1枚30秒かけずに次に進むことができ、最後のまとめ部分に自分の主張を加える余裕もできた。
ギリギリ10分で発表を終え、拍手を貰えた時は達成感で満たされていた。
終わった後の講評も割と上々で、積極的に質問やコメントも出ていたので、それなりにうまくいったのではないかと推測される。
自分はメーカーの開発なので、ムダ時間2分の1とかコスト2分の1とか開発期間2分の1とか、いつも口うるさく言われているが、実際のところなかなか実現が難しい。
そんな中で、プレゼン時間2分の1については、意外とうまくいった。
これまで自分が良かれと思って作っていたプレゼン資料は実はダラダラ長かったのでは?と考えさせられた出来事であった。