腸壁を削って美味い物を食す

潰瘍性大腸炎持ちの筆者が、病状が悪化してでも食べたいと思う逸品(主に麺類)を思いつくままに紹介するブログです。

174. 本枯中華そば(魚雷@春日)

東京ラーメンオブザイヤー2016で8位に輝いたお店。

会社から割と近くにあったのに全然気付かなかったとは…、まさに灯台下暗し。

 

つけ麺や冷製なども魅力的だったが、

今回は初回だったので基本的なラーメン(特製)を注文することとした。

 

1. トッピング

トッピングは注文時に下記の中から好きなものを3種類選ぶというシステムなので、

今回はあえてトッピングから説明する。

初見で情報が無かったので、ひとまず「おススメ2品+季節の限定」ということで、「姫たけのこ」「メンマ」「昆布の煮つけ」を頼んでみた。

トッピング一覧

・豚チャーシュー(特製の場合ついてくる)

・鶏チャーシュー(特製の場合ついてくる)

〇姫たけのこ

・きくらげ

〇メンマ

・岩のり

・ウズラの卵

・チンゲン菜

・なると

〇季節の限定(昆布の煮つけ)

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先に具の寸評を書いてしまうと、

両チャーシューは、それぞれしっかりと漬け込まれていて、そのまま食べても十分に美味しいくらい味がついている。さらに、しっかりと煮込まれているので柔らかいため箸でも崩れてしまいそう。また、どちらもスープとも相性抜群であった。どちらかといえば豚の方が好み。

姫たけのこは初めて食べたが、なかなか食感が良く、メンマとともに、こちらも単体でもつまみとしてイケそうな感じ。

限定の昆布の煮つけについては、味が濃かったので、ラーメンに入れるよりそのまま食べたほうが良さそう。

まとめると、両チャーシューはマストで、他は好きなものを…といったパターンが良いかと思われる。

なので、いろいろ試したい人は特製の方がいいのかな。

 

2.スープ&麺

さて、いよいよ本編のスープ&麺である。

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特製本枯中華そば970円

 

写真のように麺&スープと具が別々に出てくる。

「まずはシンプルに素ラーメンで魚の息吹、小麦の息吹を感じてほしい」という店側の要望によりこのような形で出しているそう。

その要望の通り、まずはスープを一口頂くと、

口に入れた瞬間にカツオの強烈な香りがブワッと広がる。

そして、全粒粉の麺をひとすすりするたびにも押し寄せる強烈な小麦の風味。

ここまで強烈な香り&風味はラーメンでは感じたことがなかった。

これだけ透き通ったスープなのに香りの濃度が異次元。

さらに、泡状のもの(エスプーマ:後述)を崩して食べ進めていくと、今度は煮干しの味、香り、旨味もプラスされて、何重にも重なった美味しさが押し寄せるようになる。

その後も味や香りの変化を楽しみながら食べていると、あっという間に終わってしまって、「最後の一滴が惜しい」と感じたのは久しぶりであった。

 

なぜここまで味や香りが強烈なのか。

その秘密が書かれた店側の解説書をざっくりまとめると、以下のようになる。

①:鶏や豚などの動物系のスープを作成

②:カツオやサバなどの魚と昆布の魚介系スープを作成

③:①と②を最適なバランスでブレンドしてWスープを作成

④:③をフラスコに注いでサイフォンによって熟成本枯れ節からエキスを抽出

⑤:仕上げの「煮干しとカツオのエスプーマ(写真中央の白く見える泡)」により香りを際立たせる

 

とのこと。

「このような5段階を経て完成していたのならば美味いはずだなあ…。」

とざっくり納得したものの、

正直、サイフォンとエスプーマが良くわかっていなかったので、ちょっと調べてみた。

 

(1)サイフォン

サイフォン原理をコーヒー豆で説明すると下記のようになる。

※画像は拝借した。

このサイフォンをラーメンのスープに応用しようという発想が凄い。

コーヒーの場合、ドリップよりもコーヒー粉がお湯に浸されている分、抽出が進んで濃厚な味わいになるが、熱がかかる時間が長いため、香りは飛んでしまうとのこと。

おそらく鰹節の場合も同様であり、濃厚な鰹節の出汁が出てくるのであろう。

 

ちなみに、実際のサイフォンの様子はこちら(たまたま火は点いていないが)

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(2)エスプーマ

エスプーマ」はスペイン語で「泡」という意味で、液状の食材に亜酸化窒素を混ぜ、泡状(ムース状)にする最新の料理法であるらしい。

これにより、味や香りを損なうことなく泡状にすることによって、食材に絡みやすいソース上となる、とのこと。

つまり、サイフォンで失われた鰹節の「香り」をこのエスプーマソースで補っているということである。

たしかに、このエスプーマを崩す前に一口すすったスープと、崩して混ぜ合わせてからのスープでは一味も二味も違っていた。

それに、この泡の効果で、味や香りが長続きしているようにも感じ、最後の一滴を飲み切るまで強烈な香りが残っていたような気がする。

 

3. まとめ

以上まとめると、最新技術を使うとここまでラーメンが進化するのかということに衝撃を受けた。

そして、一杯のラーメンのスープのためにここまでの工程が重ねられているという事実に恐れ入った。

 

あっさり系が好きな人や、ラーメンで重視するものが「スープの美味しさ」である人にはぜひ食べてほしい一杯である。

つけ麺や夏季限定麺もあるので、気温が高いうちに食べてみたいと思う。