自分と同世代の20代後半の人はゲームボーイカラーでプレイした人も多いかもしれない。
今回のパッケージで裏にいるのは「やまたのおろち」。
ラスボスではなく中ボスのひとりであるが、
明らかに日本をモデルにした国である「ジパング」に登場するボスである。
DQ3ではジパングだけでなく、ピラミッド、ロマリア(=ローマ?)、シャンパーニの塔(=シャンパーニュ?)など、明らかに現実世界をモデルにした地名が続出して面白い。
このDQ3の特徴は何といっても「職業」という概念と、それを組み合わせてパーティーを自分で自由に組めること。
今となっては当たり前になっているが、当時は本当に斬新であっただろうと思う。
定番は、勇者、戦士、僧侶、魔法使いの4人。
自分もそれで最初は進めたのち、魔法使いを賢者にした。
攻略サイトを見ると遊び人が賢者に転職できるらしいというのもあるが、遊び人が弱すぎるためそれはやめた。
このように、職業を決めて、育成方針や戦闘のプランを練るという楽しみ方を創り出したというのは本当に偉大だと思う。
ちゃんと回復役や攻撃役をバランス良く配置して、こういう攻撃がきたらこう対策するといったパターンを組んでいくのがRPGの醍醐味だと個人的には思う。
新しい敵が未知の攻撃を使ってきてやられてしまって、技構成や戦い方を考え直して再度立ち向かう。この繰り返しが一番面白い。
BGMの入り方といい、強さといい、本当に白熱した。
それに、2回連続攻撃の確率も高い。
また、攻略サイトで後で知ったが、自然回復で毎ターンHP100回復もやっかい。
ここまでレベル上げをして来なかったパーティはひとたまりもない。
自分はすなおにレベル上げをしたが、先制マホトーンを決めたり、低確率で眠らせることに賭けるという戦法もあるよう。
低レベルクリアする人は本当にすごいと思う。
そのバラモスを倒したらDQ1の世界であるアレフガルドに行けるという展開も面白かった。
しかし、そのアレフガルドで待ち受けるゾーマはレベル上げをしすぎたせいもあって、意外とあっけなかった。
賢者の石があるということや、賢者や僧侶がザオリクを使える点が大きい気もする。
でも、初見の人にとっては、凍てつく波動はなかなか脅威だろうと思う。
バイキルトやスクルトに頼ってここまで来た人は絶望すると思う。
ゾーマに勝利した後、「そして伝説へ」のサブタイトルの意味も判明する。
そして、シリーズ間のストーリーのつながりがわかった瞬間は、きっと初見のプレイヤーには衝撃だったに違いない。自分もあわよくばネタバレされずに味わいたかった。
BGMについては、文句なしで名曲の宝庫である。
後のシリーズで流用されまくっている。
よく耳にするフィールド、街の曲、ダンジョンの曲、通常戦闘曲、これらもちろん捨てがたいが、何といっても以下の3曲は別格である。
1.おおぞらをとぶ
これだけは譲れない不動の一位。
初めて聞いた時(実はドラクエ8だが)の感動は一生忘れないと思う。
きれいな高音から始まるメロディに何度癒されたことか。
今でも寝る前に流す「癒し曲プレイリスト」には必ず入れており、しょっちゅう聞いている。
2.戦いのとき
前述のバラモス戦の曲。
燃える展開もあって、ものすごく印象に残っている。
特に素晴らしいのが、オーケストラバージョン。
イントロから徐々に盛り上がってきて、一気に本編に入るときのテンションの上がり方は尋常ではない。
3.勇者の挑戦
ゾーマ戦の曲。
こちらも文句なしで燃える曲。
闇の衣を取りさらって、いよいよ最終決戦だというときに流れる曲で、
強大な敵に立ち向かっている感が半端ではない。
オーケストラ版では「アレフガルドにて」からこの「勇者の挑戦」への繋がる事が多く、その繋ぎ方が非常に素晴らしい。
他にも、
ゲーム開始直後に行われるカウンセリングで性格が決まったり、
クリア後の裏ボス(しんりゅう)を15ターン以内に倒すとアイテムがもらえるなど、
これまでのRPGには無かったであろう新しい試みも多数あって、面白かった。
発売から25年以上経ってから遊んだわけだが、
日本のRPGのさきがけになるゲームだったんだなあということを実感した。